1990 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化因子の産生調節に関する研究ー特に病態との関連を中心に
Project/Area Number |
01580172
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 講師 (40130009)
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Keywords | PAF / 血小板活性化因子 / エ-テル型リン脂質 / ホスホリパ-ゼA_2 / アセチルトランスフェラ-ゼ |
Research Abstract |
1.多形核白血球におけるPAF産生に及ぼすリゾPAFの影響。 ヒト末梢血より得た多形核白血球に、種々の濃度のリゾPAFを加えたところ、加えたリゾPAFの濃度に応じてPAFが産生されてくることが判明した。リゾPAFによるPAF産生の誘導は、培地中にウシ血清アルブミン(BSA)を加えない場合に、特に顕著に観察された。一方、リゾPAFだけでなく、他のエ-テル型リゾリン脂質、例えば、1ーアルケニルGPEを加えたような場合にもPAF産生が起きていることが確認された。この時には、細胞内のリゾPAF量も大きく増大していた。一方、アシル型のリゾリン脂質を加えた場合には、PAF産生は全く認められなかった。リゾPAFや1ーアルケニルGPEによるPAF産生の誘導に際しては、PAF合成酵素であるアセチルトランスフェラ-ゼの活性上昇は特にみられないことから、PAF産生の直接の基質であるリゾPAFの供給の増大が、そのままPAF産生につながったものと考えられた。 2.加温マクロファ-ジにおけるアセチルトランスフェラ-ゼの変動。 37℃にマクロファ-ジや多形核白血球を暖めたところ、PAF合成酵素活性が大きく、一過的に上昇することが分った。しかし、この時にはPAFは全く産生していないことが判明した。 3.PAF産生に及ぼす外因性ホスホリパ-ゼA_2の影響。 ヒト多形核白血球などに、ホスホリパ-ゼA_2を低濃度加え、ザイモザン等で刺激すると、PAF産生が大きく増大していた。この時、細胞内のリゾPAFはやはり著しく増加していた。 以上の結果は、PAF産生を開始、あるいは調節する上での基質の1つ、リゾPAFの供給の重要性を強く示唆するものである。
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[Publications] Takayuki Sugiura: "Ether lysophospholipidsーinduced production of plateletーactivating factor in human PMN" Biochim.Biophys.Acta. 1047. 223-232 (1990)
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[Publications] Takayuki Sugiura: "Transient activation of acetyltransferase during the incubation of macrophages" Lipids.