1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腸癌細胞に存在する癌関連糖鎖抗原の発現機序と生物学的意義について
Project/Area Number |
01580177
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中田 博 京都産業大学, 工学部・生物工学, 助教授 (90113141)
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Keywords | 単クロ-ン抗体 / ムチン型糖タンパク質 / 癌関連糖鎖抗原 / Tn抗原 |
Research Abstract |
ヒト腸癌細胞培養細胞株LS180細胞をヌ-ドマウス背皮下に注射し、腫瘍組織を大量に調製した。アセトン粉末にした後、可溶化し、セファロ-ス6Bカラムクロマトグラフィ-、WGAアガロ-スアフィニティクロマトグラフィ-、抗体カラムによるアフィニティクロマトグラフィ-等を用いて、MLS102、MSW113抗原を持つ糖タンパク質を精製した。更に、フッ化水素による化学的処理あるいは酵素処理により糖鎖を除去し、一次精造を解析中である。一方、単クロ-ン抗体MSW113の認識する糖鎖構造についても検討した。ヒトミルクより抗体カラムを用いてオリゴ糖を単離し、構造を明らかにしたところ、いずれもシアリルLe^aを基本構造とするものであった。また、単クロ-ン抗体MLS128を新たに調製し、Tn抗原を認識する抗体であることを明らかにした。羊顎下腺ムチン(OSM)を用いて、エピト-プの構造決定を試みた。すなわち、アシアロOSMを様々なプロテア-ゼ処理した後MLS128抗体カラムを用いたアフィニティクロマトグラフィ-によりエピト-プを含む断片を得た。更に、逆相系のHPLCにより糖ペプチドを精製し、シ-ケンサ-により一次構造を決定した。その結果、得られた糖ペプチドの内最小のものはLeu-Ser(GalNAc)-Glu-Ser(GalNAc)-Thr(GalNAc)-Thr(GalNAc)-Gln-Leu-Pro-Glyであった。SerあるいはThrにGalNAc残基が1個結合したもの、あるいは2個連続して結合したものは他の糖ペプチドにも存在することから、MLS128は上記の構造の内、GalNAc残基が3個連続して結合した構造を認識するものと考えられる。更にTn赤血球膜のグリコホリンAのN末近傍にも同様の構造が存在することからも、上記の構造が必須であることが強く示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 北川裕之: "TRree Novel Olygosaccharicles with the Sialyl-Le^a Structure in Human Milk Isolation by Immunoaffinity Chromatography" Biochemistny. 28. 8891-8897 (1989)
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[Publications] 北川裕之: "Occurrence of tetra-and pentapentasaccharideo with the sialyl-Le^a structure in human milk" J.Biol Chem. (1990)
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[Publications] 沼田義人: "A monoclonal antibody directed to Tn antigen" FEBS Lett.
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[Publications] 福井成行: "Characterization of antigens recognized by monoclonal antibodies,MLS102 and MLS103 which were raised against human color cancer cells" J.Biochem.
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[Publications] 中田博: "Tn抗原を認識する単クロ-ン抗体MLS128の性質" 癌. 323 (1989)
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[Publications] 中田博: "ムチン型糖タンパク質に発現される癌関連糖鎖抗原について" 生化学. 61. 771 (1989)