1989 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着に関する接着分子の機能証明および発現調節機構の解明
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01580178
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉田 元信 近畿大学, 食品科学研究所, 講師 (80192425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 助教授 (00150805)
飯塚 義富 近畿大学, 農学部, 教授 (90088170)
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Keywords | 細胞接着分子 / 膜糖タンパク質 / トランスフォ-メ-ションベクタ- / 細胞性粘菌 / Dictyostelium discoidoum |
Research Abstract |
細胞性粘菌(Dictyosteluim discoideum)の細胞集合期における細胞接着機構を分子レベルで解明すべく研究を進めてきた。これまでに、この細胞接着は分子量8.0万の膜糖タンパク質であるcontact site Aが重要な役割を担っていることを、contact site Aに対する抗体を用いての阻害実験およびcontact site A欠損突然変異株の解析より明らかにした。 したがって、本年度の研究として(1)4時間発生させた細胞性粘菌細胞のメッセンジャ-RNAから作成した入gtllcDNAライブラリ-よりcontact site Aに対する抗体を用いて、contact site Aに対するcDNAを単離した。単離したcDNAクロ-ンのうち、少なくとも1クロ-ンは5'末端を完全に含むものであった。このcDNAをプロ-ブとして、genomic DNAライブラリ-よりcontact site Aのgenomic DNAクロ-ンを単離し、contact site A遺伝子領域の全塩基配列を決定する予定でいる。(2)単離したcontact site Aに対するcDNAあるいはgenomie DNAクロ-ンを細胞性粘菌のアクチン遺伝子のプロモ-タ-とTn5からのネオアイシン耐性遺伝子とからなる細胞性粘菌特異的なトランスフォ-メ-ションベクタ-に組み込み、contact site A欠損突然変異性に導入することにより、contact site Aの細胞接着に関与する機能ドメインを明らかにする。さらに、このトランスフォ-メ-ション系で、単離したcontact site A遺伝子の置換変異実験から、発生開始後約4時間で細胞膜上に発現されるcontact site Aの発現調節機構の解明、発現調節因子の同定を行う予定である。その第一段階として、トランスフォ-メ-ションベクタ-を用いて、細胞性粘菌への組み込み効率を検討したところ、エレクトロポ-レ-ション法がカルシウムリン酸法より効果的であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Yoshida and Y.Iizuka: "Isolation of an aggregation-less mutant of Dicyosteluim discoideum with the expression of the contact site A glycoprstein" Cell Struct.Funct.14. 625-636 (1989)
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[Publications] M.Yoshida and Y.Iizuka: "Role of carbohydrates in the intercellular adhesion:Effects of tunicamycin on contact site A glycoprotein of Dectyostelwio discoideum" Reoux's Archives of Developmental Biology. 199. (1990)
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[Publications] M.Yoshida and Y.Iizuka: "Isolation of mutanto defective in the epitope recognized by monoclonal antibody against carbohydrate moieties of contact site A glycprotein form Dictyostelium discoideum" Submitted for J.Gen.Microbiol.