1990 Fiscal Year Annual Research Report
脳における蛋白質の老化異常とカルボキシメチル化反応
Project/Area Number |
01580183
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 道比古 山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 和信 山形大学, 医学部, 助手 (80222959)
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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Keywords | 蛋白質カルボキシメチル基転移酵素 / cDNAクロ-ニング / 老化 / 脳 / 蛋白質メチル化 |
Research Abstract |
ラット脳cDNAライブラリ-より得られた蛋白質カルボキシメチル基転移酵素(PCM)cDNAの翻訳領域にプロ-ブとして用い、ラット脳poly(A)RNAのノザンブロット解析を行ったところ、長さの異なる3種のRNA(3.4kb、2.0kb、1.3kb)'の存在が明らかになった。一方、3'側非翻訳領域をプロ-ブとした場合2.0kb RNAのみが現われた。PCM cDNAのストップコドンの下流にはATTAAAやAAGAAAというポリA類似配列があることから、PCM遺伝子の転写が部分的に終了してしまうため1.3kb RNAが出現すると考えられる。3.4kb RNA出現の機構については現段階では不明である。また、ラット遺伝子DNAのサザンブロット解析を行ったところ、cDNAの翻訳領域、3'側非翻訳領域をプロ-ブとした場合、複数のバンドが観察されたが、5'側非翻訳領域をプロ-ブとした場合には単一のバンドを与えることから、本PCM遺伝子は単一であろうと予測される。そこで、上記プロ-ブを用い、ラット遺伝子ライブラリ-をスクリ-ニングして2種の陽性クロ-ンを得た。それらのクロ-ンに含まれる遺伝子DNA断片をサザンブロット解析、制限酵素地図作成、エクソン付近の塩基配列解析などを行うことにより、PCM遺伝子をコ-ドする5個のエクソンの存在を確認した。しかしcDNAの5'端及び3'端に相当する塩基配列を持ったクロ-ンを見出せなかったので、再度λEMBL3にラット遺伝子DNAを組込んだライブラリ-を構築し、前と同様の方法でスクリ-ニングしたところ、5'側1個、3'側で多数の陽性クロ-ンを拾い出せた。現在までに得られたPGM遺伝子断片をつないでいった結果から判断して本遺伝子は少なくとも40Kbp以上の長さがあるように思われる。中でも3'側のプロ-ブに用いた領域はミトコンドリア遺伝子中の4NDー4LND領域と96%の類似性を示すところなので、ミトコンドリアの細胞内進化との関連で興味深い。
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Research Products
(1 results)