1989 Fiscal Year Annual Research Report
糖輸送系の活性化における活性酸素の役割に関する研究
Project/Area Number |
01580198
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岩島 昭夫 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70079705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 輔翼 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (10079709)
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Keywords | 糖輸送系 / 活性酸素 / ス-パ-オキシド / 2-デオキシグルコ-ス |
Research Abstract |
今年度はマウス線維芽細胞の糖輸送系におよぼす活性酸素の影響を中心に検討し、以下の結果を得た。 1.マウス線維芽細胞の糖輸送系の活性酸素による活性化 マウスBalb3T3細胞をXanthine/Xanthine oxidase系およびH_2O_2によりそれぞれ前処理し、O^-_2またはH_2O_2の2-デオキシグルコ-ス(2DG)の細胞内取り込みにおよぼす影響について検討したところ、両者とも処理直後より処理時間に依存して2DGの取り込みを促進し、最大効果(約2.5倍)は90分後に認められた。また、1/2最大効果に要する時間は20分で、促進効果は4時間まで観察され、試薬の除去により元の基礎レベルにまで戻った。糖として3-0-メチルグルコ-スを用いた場合も同程度の取り込みの促進が認められ、この変化が輸輸送系そのものの活性化によることが明らかになった。 2.活性酸素による糖輸送系の活性化の抗酸化剤による阻害 上記の糖輸送系の活性化に対する抗酸化剤などの影響について次にしらべた。先ずビタミンEの添加はXanthine/xanthine oxidase系およびH_2O_2による糖の取り込みの促進をともに抑制した。しかし、H_2O_2による促進はカタラ-ゼにより阻害されたが、superoxide dismutase(SOD)によっては阻害されず、一方Xanthine/xanthine oxidase系による促進はSODでもカタラ-ゼでも単独では阻害されなかったが両者の併用により阻害されることが分かった。 以上の結果はマウスの線維芽細胞の糖輸送系の活性化がO^-_2またはH_2O_2に依存して起こることを強く示唆している。
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[Publications] Kazuhiro Irie: "Biological activities and cellular uptake studies of fluorescent derivatives of indole alkaloid tumor promoter teleocidin" Int.J.Cancer. 43. 513-519 (1989)
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[Publications] Rundi Ma: "Influence of hepatoma transplantation on lipoperoxidation of liver,spleen,heart,and red blood cell membrane" J.Kyoto Pref.Univ.Med.98. 835-840 (1989)