1991 Fiscal Year Annual Research Report
糖運送系の活性化における活性酸素の役割に関する研究
Project/Area Number |
01580198
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岩島 昭夫 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70079705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 輔翼 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (10079709)
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Keywords | 糖輸送系 / 活性酸素 / ス-パ-オキシド / 発がんプロモ-タ- / インスリン / 過酸化水素 |
Research Abstract |
これ迄の研究によりマウス線維芽細胞の糖輸送系がxauthine/xauthine oxidase系(x/xo系)およびH_2O_2によりそれぞれ活性され.抗酸化剤であるビタミンEによりその作用が何れも抑制されることを明らかにした。さらにH_2O_2による促進はカタラ-ゼにより阻害されるがSODでは阻害されず、一方.x/xo系による促進はSODやカタラ-ゼの単独処理では阻害されないが.両者の併用により阻害されることを証明した.またO^-_2による糖輸送系のの活性化は細胞貭のアルカリ化を介して起こることが示唆され.H_2O_2による促進はWー7やTFPなどのCa^<2+>ーカルモジュリン阻害剤により阻害されることにより.O^-_2とH_2O_2により促進機構の間には相違がみられることを推定した. 今年度の研究は発癌プロモ-タ-であるボ-ルエステルの活性がそのO^-_2遊離の誘発作用と密接に関係があり.一方、インスリンは細胞内におけるH_2O_2の生成を促進することがその生理作用に関与しているとの報告にもとずき.これらの示す糖輸送促進作用に活性酸素が作用事くとして介在している可能性をしらべる目的で各種抗酸化剤を用いて検討を加えた.その結果.ブチルー4ーヒドロキシアニソ-ル,クルクミン,ガ-リック酸、ルチンおよびビタミンEはいずれもホルボ-ルエステルやインスリンによる糖輸送の促進を有意に抑制し.さらにSOD+カタラ-ゼすなわちO^-_2およびH_2O_2の消去剤で細胞を前処理するとホルボ-ルエステルなどによる糖輸送系の活性化が阻害されることが明らかとなった.したがってホルボ-ルエステルやインスリンの場合も.O^-_2遊離やH_2O^-_2の生成が糖輸送系の活性化に関与している可能性が強く示唆され.線維芽細胞における糖輸送の活性化機構に活性酵素が重要な役割を果たすことが推定された.
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[Publications] Ichiro Honda: "Inhibitory effects of 3ーnitroー2,4,6ーtrihydroxybenzamides on EpsteinーBarr virus early antigen induction" Cancer Letters. 59. 83-88 (1991)
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[Publications] Kazuhiro Irie: "Quantitative structureーactivity studies on indole alkaloid tumor promoter indolactam congeners" Carcinogenesis. 12. 1883-1886 (1991)