1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01580208
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 幹太 京都大学, 理学部, 教授 (80025238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米井 修治 京都大学, 理学部, 講師 (60093340)
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Keywords | 膜作用試薬 / DNA修復 / 修復制御 / UV照射 / SOS応答 / 呼吸阻害 |
Research Abstract |
プロカインやクロルプロマジン(CPZ)などの薬剤は細菌などの細胞膜に特異的に結合し、膜の構造・機能変化を引き起こす。我々は、この薬剤の性質を利用して、DNA修復の過程に膜が関与しているかどうかを検討した。その結果、UV照射後の大腸菌の除去修復がプロカインやCPZあるいはフェネチルアルコ-ル(PEA)の添加によって阻害されること、PEAはDNA-膜結合を解離させ、除去修復の最初のステップであるincisionを阻害するのに対して、プロカインにはこれらの作用はなく、ただし、修復合成のステップを阻害することが分かった。CPZは、用いた膜作用試薬のなかでも最も低い濃度で修復阻害が現れた。これらの阻害の構造、とくに膜に結合している修復因子が何であるのかについてはまだ解明できていないが、CPZには強い細胞呼吸に対する阻害効果が観察できた。熱処理(大腸菌を48℃で処理)もCPZと同様に呼吸の阻害(CN抵抗性呼吸の割合が増大)を引き起こす。この呼吸能低下が修復に必要なエネルギ-の産生を抑制したことも原因の1つとして考えられる。一方、呼吸の阻害は正常な電子伝達系を乱し、O_2-を発生させることが示唆されている。そこで、大腸菌のsodAおよびnfo遺伝子の発現(O_2-誘導性)をこれらの遺伝子とlacZとの融合遺伝子を作製して調べた。その結果、CPZやプロカインを添加すると、その濃度に依存してβ-ガラクトシダ-ゼ(lacZの産物)の合成増大が見られた。また、SOD酵素活性が実際に増大することも活性電気泳動法で確認した。これらの応答には、酸素の存在が必須であった。また、CPZには強い蛋白質合成に対する阻害効果があり、除去修復酵素の誘導が抑制されることも修復阻害の原因と考えられたが、CPZやプロカインのこの作用はrecA変異株でも観察できたので、除去修復阻害は修復酵素誘導の低下が主因ではないことが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Zhang Qiu Mei: "Induction of the sodA gene expression by membrane-active drugs in Escherichia coli"
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[Publications] 米井修治: "フォトバイオロジ-(共著)" 学会出版センタ-, 233 (1989)