1990 Fiscal Year Annual Research Report
広立体角カウンタ法によるガス生成中性子反応二重微分断面積の測定
Project/Area Number |
01580218
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
馬場 護 東北大学, 工学部, 講師 (20005466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 智彦 東北大学, 工学部, 助手 (70184869)
平川 直弘 東北大学, 工学部, 教授 (20005391)
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Keywords | 高速中性子、 / 陽子・ヘリウム、 / ガス生成中性子反応、 / 二重微分断面積、 / 広立体角カウンタ-、 / 格子型電離箱 |
Research Abstract |
平成2年度は,元年度に設計・製作した広立体角カウンタ(格子型電離箱;以下GIC)と測定及びデ-タ処理法の改良を進め、中重核の(n,p),(n,α)反応に対する測定を行い,新たなデ-タを得た。 1]GICに測定サンプルを外部から交換するサンプル駆動機構とバックグランドを抑制するリング電極を取り付けるなどの改良を行った。また検出ガスをArーCO_2(5%)からKrーCO_2(3%)に変更し、Ar(n,α)反応によると思われるバックグランドを大幅に低減させ、14MeV中性子に対しても十分なS/Nでの測定が可能とした。なお、KrーCO_2の場合、検出ガス中不純物の影響が大きいため、GICの真空排気系を強化した。 2] ^6Li(n,t),H(n,p)n,Ni(n,p)反応を用いて、実験手法とデ-タ処理手法の検証をすすめ、アノ-ド・カソ-ドの二次元デ-タに適切な処理を施すことによって、検出ガスによるバックグランドの影響を大幅に低減させ、中重核のほとんどの場合について、(n,p),(n,α)反応の二重微分断面積を良好なS/Nで測定することが可能となった。 3]上記の手法を用い、4.2〜6.5MeV、15MeVの中性子に対してAl,Ni,Cuからの陽子、ヘリウムのスペクトル測定を行い、(n,p),(n,α)反応の二重微分断面積とエネルギ-・角度について積分された反応断面積を導出した。二次粒子スペクトルは(n,p)と(n,α)についてそれぞれ特徴的な形状を示すことが分かったが、他の核種に対する測定を行いさらに検討する意義がある。また、実験結果はNi(n,α)反応などについて、反応断面積自体についても評価値と大きく異なっており、新たなデ-タとして有用であろう。更に、本測定手法は、断面積が数mb程度と小さいCu(n,α)反応についても良好なS/N比を与えており、高い効率と良好なS/Nを備えた測定手法として二次荷電粒子の測定に非常に有効なことが示された。 本研究の成果は、本年5月の核デ-タ国際会議で発表の予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Baba et al.: "High Efficiency ChargedーParticle Spectrometer using Gridded ionization Chamber for FastーNeutron Induced Reaction" Int.Conf.Nuclear Data(May 1991,Jurich). (1991)
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[Publications] N.Ito,M.Baba: "Measurement of NeutronーInduced ChargedーParticleーEmission Reaction Cross Section using GriddedーIonization Chamber" JAERIーM(Japan Atomic Energy Reasearch Institute 1991). (1991)
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[Publications] 伊藤 信夫、馬場 護、他: "格子付電離箱による高速中性子入射 荷電粒子放出反応の測定" 日本原子力学会1990秋の大会予稿集. 64 (1990)