1989 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉、核融合炉用金属材料中の微量不純物の放射化分析とその比較放射能測定
Project/Area Number |
01580219
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八木 益男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10004269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枡本 和義 東北大学, 理学部, 助手 (60124624)
原 光雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005918)
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Keywords | 炉材料 / 微量不純物 / 放射化分析 / 標準添加内標準法 / 残留放射能 / 低合金鋼 / ホウ素材料 / 希土類元素 |
Research Abstract |
近年、高速増殖炉や核融合炉材料のように、重照射に耐える材料開発に関する基礎および応用研究が活発におこなわれるようになってきた。これらの開発研究においては、使用される材料中の微量ないし超微量不純物等の放射化に関する実態が、あらゆる面から確実に把握されて始めて、材料工学における照射挙動とその機構解明への道が開け、新しい素材開発への基礎が築かれることになる。このような各種材料における放射化の実態は、放射化分析法を通して正確に把握するのが最良であり近道であるが、それは通常の方法ではなく、絶対濃度測定法で実施されなければその目的は達せられない。この絶対濃度測定を可能にする放射化分析法は、現在の処標準添加内標準法でしか実施することができない。 本研究においては、上記増殖炉や核融合炉材料として利用を余儀なくされる各種低合金鋼中の微量不純物を、光核反応を利用した標準添加内標準法で分析し、チタン、コバルト、ニッケル、銅、ヒ素、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、アンチモン、錫、鉛等の微量不純物の絶対濃度をまず測定することから始めた。一部元素については妨害反応による寄与を補正することによって、上記元素濃度はすべて高精度で測定でき、各種核反応による誘導放射能計算基準である比放射能を正確に求めることができた。ついで、得られた結果を基礎にして、各種合金鉱中に誘導れさる残留放射能について詳細に検討し、残留放射能の実態についての具体的な指針を示すこはに成功した。 一方、非鉄金属としての原子炉用ホウ素材料、また、新素材として多く利用される希土類元素中の微量不純物の荷電粒子放射化分析を併せ検討し、前者ではチタン、クロム、鉄、ジルコニウム等が、後者ではチタン、クロム、鉄、イットリウム、ストロンチウム等の不純物濃度がこの方法によっても正確に求められることが実証された。
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