1989 Fiscal Year Annual Research Report
災害復興にともなう地域の変容とその評価に関する研究
Project/Area Number |
01580237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松田 磐余 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60087145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 一樹 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80094275)
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Keywords | 災害復興 / 地域の変容 / 都市計画 / 住民の評価 / アンケ-ト調査 / 長崎市 / 茂木町 / 酒田市 |
Research Abstract |
1.長崎市 中島川地区、八郎川地区の商店とその一般住宅を対象にアンケ-ト調査を実施した。中島川地区の復興都市計画では、眼鏡橋や河川景観の保全など、復興した中島川の雰囲気は高く評価されているが、復興事業期間の長さ、橋のデザインや嵩上げは不評である。八郎川地区では、河川改修のみが中心であったこもあり、移転家屋の多さ、敷地の減歩など評価が低いものが目だった。また、災害にともなう経済的被害や復興事業による移転や減歩が、商業活動に大きな影響を与えたことが明らかになった。 2.栃木県茂木町 逆川の河川改修事業が町の活性化と関連付けて取り組まれた。親水性を持たせた河川改修が進行中で、一方では、ショッピングセンタ-の建設が計画されている。ショッピングセンタ-は河川改修にともなう移転者の宅地確保のために実施された区画整理事業地の残地に計画され、町外に流出している購買力を吸収し、かつ、周辺部から購買力を集めることを目的としている。しかし、商業活動が衰退化している中で、旧商店街への購買力を吸収し、寡占化が進行する可能性がある。ショッピングセンタ-完成後は、商業活動はもとより、町全体への影響も大きなものが予想される。 3.山形県酒田市 大火後の復興計画で完成したショッピングモ-ルは、当初の計画とは異なり、思わしい結果が得られたおらず、事業者の評価も低い。その理由は、最近の中規模店舗の立地動向からみると、商業集積地の復興計画地区地域から周辺部への移行は必然的なもので、その動きが大火により加速されたと考えられた。 4.その他 茂木町でのアンケ-ト調査は、町内の事情を考慮して、今後のこととした。そのため、長崎市内でのアンケ-ト地域をふやし、商業地と区画整理事業地という傾向の異なる地区で実施した。茂木町については、今後も継続調査する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松田磐余: "災害復興にともなう地域の変容-栃木県芳賀郡茂木町の場合-" 日本地理学会予稿集. 36. 96-97 (1989)
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[Publications] Iware MATSUDA: "Natural disasters and countermeasures for the Tokyo Lowland" Geographical Review of Japan,Ser B. in press.
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[Publications] 松田磐余: "災害復興にともなう地域の変容-逆川の改修と茂木町の活性化-" にほんのかわ. 49. (1990)
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[Publications] 中林一樹: "大都市における地震災害の様相と震災応急対策の構造" 都市問題. 80-5. 39-51 (1989)
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[Publications] Itsuki NAKABAYASHI: "Recovery of liveilihood following disaster in present Japan" Geographical reports of Tokyo Metropolitan University. 25. 249-260 (1990)
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[Publications] 中林一樹: "地震災害の居住生活への支障とその定量的想定の検討" 総合都市研究. 38. (1990)