1989 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュ-タ利用教育における教授・学習過程の分析とその応用
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01580274
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
西村 千秋 東邦大学, 医学部, 助教授 (50011193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉沢 修治 東京大学, 工学部, 助教授 (90010959)
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Keywords | コンピュ-タ利用教育(CAI) / 教育工学 / 生体計測 / 皮膚電位 / 脳波 / 覚醒レベル / 学習理論 / バイオフィ-ドバック |
Research Abstract |
本研究は、コンピュ-タ-利用教育(CAI)における教授・学習の過程を学習者の生理心理的な側面を中心に分析するとともに、学習者の生理量に関する情報フィ-ドバックのCAIへの応用可能性について検討したものである。 一般の、CAIの利点として、個々の学習者の学習状況に応じて適切な教材等を用いた指導ができるという点があげられる。しかし、現在のCAIにおける指導プログラムの多くは、学習者の学習成績に重点をおいた評価を行い、予め与えられた手順に従って指導していく方式を採用している。このため、学習者の学習意欲や学習態度のような人間的な側面が十分にはとり入れられておらず、予期したほどの成果があがっていない。本研究の目的は、(1)CAIにおける教授・学習の過程を脳波・皮膚電位等の生理的な指標を用いて分析し、学習者の集中度や覚醒レベルの変化を明らかにするとともに、(2)その情報を実時間的にフィ-ドバックした場合の、CAIに与える効果の基礎的な検討を行うことにある。 まず、CAIを模したコンピュ-タ画面を介して知的作業を行わせた場合の、作業者のパ-フォ-マンスを生理量(脳波。皮膚電位、心拍数)との関連を実験によって求めた。その結果、作業者の集中度や覚醒レベルを反映する生理量として皮膚電位が最もすぐれていることが判明した。そこで、皮膚電位を手がかりとして作業者の覚醒レベルの評価を行い、その情報を作業者にフィ-ドバックすることによって、覚醒レベルをある範囲内に保つことを試みた。その結果、作業のパ-フォ-マンスを維持する上で適切な覚醒レベルの範囲が存在するこ、また、フィ-ドバックを行うに際しては、慣れの問題を考慮に入れる必要のあることなどが見出された。以上から、このような生理量情報のフィ-ドバックを含むCAIの可能性と有用性が示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishimura,C.: "Visual evoked potentials elicited by subjective depth change" Electroencephalography and Clinical Neurophysiology. 73. 769-779 (1989)
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[Publications] Yoshizawa,S.: "A free boundary value problem for solidification front of binary mixture" Proceedings of the 1989 European Simulation Multiconference. 299-304 (1989)
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[Publications] 西村千秋: "奥行きの主観的変化に伴う視覚性誘発脳電位" 医用電子と生体工学. 27(特). 448 (1989)
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[Publications] 西村千秋: "立体視覚に付随する誘発脳波のトポグラフ的解析" 第4回生体・生理工学シンポジウム論文集. 219-222 (1989)
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[Publications] 西村千秋: "皮膚電位を用いた覚醒水準の評価" 東邦医学会雑誌. 37. (1990)