1989 Fiscal Year Annual Research Report
数学教育における空間図形の二次元表示の役割についての研究
Project/Area Number |
01580278
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
狭間 節子 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (40030382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬沼 花子 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (30165732)
橋本 是浩 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00030479)
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Keywords | 空間図形 / 二次元表示 / ポリキュ-ブ / 四角錐スケルトン / 発達的特徴 / 伝達手段 / 図表現 |
Research Abstract |
小・中・高校の生徒は、三次元幾何図形(立体)をどのように紙面に表現し、伝達するか、及びそこにおける二次元表示の役割について研究するために、本年度は、大阪、東京、奈良地区で、次の課題について調査研究を行った。 課題1.7個の木製立方体から構成されたポリキュ-ブを、遠くの同級生に紙にかいて伝える。 課題2.正四角錐スケルトン模型を、同じく紙にかいて伝える。 課題3.課題1で得られた典型的表示をもとに、ポリキュ-ブを一意的に組み立てられるか否かを判定し、最も組み立て易い表示を1つ選んで、実際に組み立てる。 これらの調査の結果、次の諸点が新たな知見として得られた。 1.「ポリキュ-ブの表示」の調査結果 生徒の表示は、第一にポリキュ-ブ全体の状態を描く(状態描写)がポリキュ-ブを念頭で分解し、その構成を描く(構成描写)かに分けられる。第二に、主としてどのような表示手段が使われているかで、文章表現、見取図、直角投影図、およびコ-ド面に分類でき、さらに構成方法については4種の方法が典型的に区別できる。それらに関して、発達的特徴および学年の傾向などが得られた。 2.「正四角錐スケルトン模型の表示」の調査結果 生徒の表示は、第一に図の立体性(底面と高さをもつ図か、否か)について、第二に図の対称性について、および立体の底面を表す図の形(正方形、長方形、台形、平行四辺形)について、発達的特徴および学年の特徴的傾向などが得られた。 来年度は、課題3の結果の分析と、課題1ー3の結果をもとに、図形教育における二次元表示の役割について研究する。
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[Publications] 狭間節子,重松敬一,橋本是浩,瀬沼花子,風間喜美江: "立体の二次元表示に関する調査研究" 第22回数学教育論文発表会論文集. 151-156 (1989)
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[Publications] 瀬沼花子: "児童・生徒によるポリキュ-ブの二次元表示の特徴とコミュニケ-ションの数学教育における意義ー課題学習の一例としてー" 日本科学教育学会研究会研究報告. 4ー1. 15-18 (1989)