1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01601036
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
水野 欽司 統計数理研究所, 調査実験解析研究所, 教授 (40022397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大町 達夫 東京工業大学大学院, 総合理工学研究科, 教授 (90126269)
倉林 義正 一橋大学, 経済研究所, 教授 (20017651)
室崎 益輝 神戸大学, 工学部, 教授 (90026261)
吉井 博明 文教大学, 情報学部, 教授
廣井 脩 東京大学, 新聞研究所, 助教授 (80092310)
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Keywords | 自然災害 / 防災力 / 社会組織 / 防災計画 / 自主防災組織 / 学校防災対策 / 地震 / 集中豪雨 |
Research Abstract |
自然災害に対しては、国・自治体を始め、企業体、学校、自主防災組織などが、それぞれ計画を立て、災害発生に備えている。そこでは、常になんらかの「防災力」を暗黙に想定しているが、その概念は明瞭でない。本研究は、広く各地域の災害対策の実態を調査し、その基礎にもとづいて、各地域の社会組織がもつ「防災力」と呼ぶものの構成条件を探ることである。なお、災害時における、地域自治体を中心とする自主防災組織や学校・企業体などの綿密な連携の有無・内容を特に重視した。本年度は、研究の最終年度であり、これまで集積した多くの知見を整理・総合する作業を行うと同時に、なお必要と考えられる補助的な調査を追加して検討を進めた。すなわち、前年度に実施した、市町村、自主防災組織、小・中学校、企業体など、基本的な分析を終えた各種の調査に対し、重要と考えられる問題点の細部を探るための補助的な各種調査を実施した。その中では、地域住民の防災に対する意識・態度などのソフト面は、きわめて重要である。住民の防災意識の現状と関心を高める方策など、改めて一部の地域を選定し住民の防災意識・態度の現状を把握するための調査を加えた。これまでの地域災害対策は、住民の避難、救急活動などの問題に対して実際の災害状況の“ケ-ス研究"の成果に頼ることが多かった。しかし、農漁村部のような場合と異なり、複雑な構造をもつ大都市圏に対しては、不適切な内容も多かったといえる。本研究では、広く都市部や農漁村部を含み、被災未経験の地域をも含めた諸調査により、防災の現状を展望して、有効と認められる防災対策の多くを具体的に見出すことができた。しかし、その内容は、しばしば問題点が残される場合もある。たとえば、効果の評価についても、研究者の災害観・価値観によって差異が生じ易い。その意味でも検討過程で行った多くの調査結果などを、広く災害関係諸方面の参考に供する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tatsuo OHMACHI: "FINDINGS TO IMPROVE JAPANESE EARTHQUAKE PREPAREDNESS LEARNED FROM A CROSSーCULTURAL QUESTIONNAIRE SURVEY IN JAPAN AND THE UNITED STATES" Strucural Eng./Earthquake Eng.,(Japan Society of Civil Engineers). 6. 161-167 (1989)
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[Publications] 大町達夫: "米国における地震防災活動" 東京工学大学 土木工学科研究報告. 39. (1989)
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[Publications] 大町達夫: "日米の比較調査から学んだ地震対策のヒント" 建築防災. 6月号. 11-15 (1989)
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[Publications] 廣井脩: "震災対策と情報システム" 都市問題(東京市政調査会). 5月号. 15-25 (1989)
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[Publications] 廣井脩: "災害情報と危機管理ー首都圏震災時の電気通信システム" 情報通信学会誌(情報通信学会). 2月号. 39-46 (1990)
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[Publications] 室崎益輝: "災害時の住宅復旧過程に関する研究" 都市計画論文集. 24. 91-96 (1989)