1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01601503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大竹 政和 東北大学, 理学部, 教授 (60203816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 徹 東北大学, 理学部, 助手 (00111245)
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Keywords | 地震発生予測 / 地震発生機構 / 地震トリガ-機構 / 誘発地震 / 微小地震観測 / ダム水位変化 / 地震波速度構造 |
Research Abstract |
山形県中部の寒河江ダム周辺で砕石発破および自然地震の観測を実施し、下記の成果を得た。本観測にあたっては、広帯域・低消費電力のイヴェント・トリガ-方式微小地震観測システムを開発し、効果的な観測を行うことができた。 (1)ダム湖周辺の浅部地殻構造の研究 地震発生場のテクトニクス的考察に資するため、砕石発破を利用してダム湖周辺の浅部地殻地震波速度構造を詳細に調査した。初動走時解析の結果、基盤の地震波速度は5.9km/s、基盤までの深さはダム湖の北西、南方ではおよそ1kmで、ダム湖から東方に徐々に深くなっていることが明らかになった。この結果は、表層地質調査の結果とも調和的である。 (2)ダム湖近傍における地震活動度の研究 観測期間中平成元年12月中旬までは地震活動は全般的に低かったが、ダム湖が満水に達した12月下旬から周辺地域で地震活動が活発化したことが明らかになった。ダム湖の南方約20kmの地域での活動が現在までのところ最も活発で、マグニチュ-ド3程度の比較的大きな地震も含まれている。地震活動が活発化した地域は地質構造線の延長上に位置している。このような場所でダム湖が満水状態に達した直後に地震活動が活発化したことはたいへん興味ある事実で、地震発生予測の中心的課題である地震のトリガ-機構の解明のための重要な手がかりを与えるものである。今後ともダム湖の水位変化と地震活動の推移を注視し、その諸特性を究明してゆく必要がある。
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Research Products
(1 results)