1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01603012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 健治 京都大学, 工学部, 教授 (20025919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄井 洋基 山口大学, 工学部, 教授 (20107725)
平戸 瑞穂 東京農工大学, 工学部, 教授 (20156681)
新井 邦夫 東北大学, 工学部, 教授 (10005457)
笠岡 成光 岡山大学, 工学部, 教授 (10032921)
富田 彰 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (80006311)
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Keywords | 石炭のガス化 / 石炭の迅速熱分解 / 石炭の超臨界抽出 / 石炭の溶剤膨潤 / 高温乾式脱硫 / 石炭ー水スラリー / 石炭灰分融点制御 |
Research Abstract |
エネルギー源、化学原料源として極めて重要な石炭をクリーンにかつ効率よく利用するには、石炭の高度利用技術の開発が緊急の課題である。本研究では、(1)石炭を総合的かつ効率的に利用できる新しいガス化プロセスの開発、(2)ガス化反応の解明に基づく効率の良いガス化装置の開発、(3)低品位、劣質の石炭をもガス化可能とする石炭供給法の開発と、(4)無公害でクリーンなガス化プロセスの確立を目標に種々の検討を実施している。本年度得られた成果の概要は以下の通りである。(a)前年度までに開発した石炭溶剤膨潤熱分解法により、石炭転化率を67%、タール収率を42%まで増加することに成功した。さらに、高圧迅速熱分解時の水素消費量を測定できる装置を開発し、水素消費量と生成物分布の関連性を検討した。(b)鉄触媒により高圧迅速水素化熱分解のBTX収率が増加することを初めて明らかにした。さらに、熱分解・ガス化に対する鉄触媒の作用機構を明確にした。(c)水素供与性溶剤を用いた高圧下での超臨界抽出により、石炭転化率60%、液収率50%を達成した。また、抽出残渣炭チャーのガス化反応性が原炭チャーより大きいことを明らかにした。(d)昨年度までに開発した一塔二段粒子層式ガス化装置を用いて1150℃までのガス化を実施し、炭素転化率96%、冷ガス効率78%という画期的な値を達成した。(e)石炭石、鉄鉱石などのフラックスの添加により灰分の融点を下げて、ガス化温度を最適操作温度に近づけ得ることを実証した。また、灰分の融点を推定できる実験式を提出した。(f)石炭ー水スラリーの熱的前処理プロセスを開発し、本法がガス化プロセスの高効率化に有効であることを明らかにした。(g)高温乾式脱硫剤として、合成Fe_2O_3系、ならびにヘマタイト系鉄鉱石が400〜500℃の温度範囲で実用化の可能性が高いことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 橋本健治: "Factors Affecting the Reactivity of Coal chars during Gasification,and Indices Representing Reactivity" Fuel. 68. 1461-1475 (1989)
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[Publications] 富田彰: "The Effect of Temperature and Residence Time on the Secondary Reactions of Volatiles from Coal Pyrolysis" Fuel Process.Technol. 21. 25 (1989)
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[Publications] 笠岡成光: "低温乾式同時脱硫・脱硝触媒の開発ーCr_2O_3ーTiO_2共沈酸化物ー" 燃料協会誌. 68. 45-54 (1989)
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[Publications] 新井邦夫: "CoーSolvent Effects of Tetralin or Ethanol on Supercritical Fluid Extraction of Coal with Toluene" Fuel 投稿中.
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[Publications] 薄井洋基: "石炭・水スラリーの安定性に及ぼす添加剤の影響" 日本レオロジー学会誌. 18. 286 (1990)
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[Publications] 平戸瑞穂: "フラックスを添加した石炭灰分の溶融特性に関する基礎研究ー溶融温度の推定と混炭による融点降下ー" 燃料協会誌. 68. 393-398 (1989)