1989 Fiscal Year Annual Research Report
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01603018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森口 親司 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (60027571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 明弘 神戸大学, 経営学部, 教授 (30029912)
新庄 浩二 神戸大学, 経済学部, 教授 (80030667)
黒田 昌裕 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (50051636)
伴 金美 大阪大学, 経済学部, 助教授 (30027578)
斎藤 光雄 神戸大学, 経済学部, 教授 (20029911)
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Keywords | 石油および非石油一次産品の世界市場モデル / 石油価格の90年代予測 / ガソリン税 / エネルギー需要の価格弾性値 / 一般均衡モデルの日米両国への拡張 / 電力産業の産業組織論的研究 / エネルギー政策 |
Research Abstract |
最終年度の研究は、過去三年間の研究成果の総合的なまとめと、今後の研究課題の拡がりを展望した問題の整理を目的として行われた。計量分析アプローチとしては、 1.石油および非石油一次産品の世界市場モデルのアップデートと石油価格の90年代予測が行われ、今後の課題として、このモデルを地球環境問題を扱いうるように拡張する試みが、二酸化炭素排出量に関して行われた。 2.日米リンク・マクロモデルを完成させ、米国におけるエネルギー税導入のシミュレーション分析を行った。1ガロン25セントのガソリン税導入のもたらす不況効果がかなり強く、税収面での増収効果がかなり削減されることが判明した。 3.神戸大学マクロ多部門モデルによる日・米・独の産業部門におけるエネルギー需要の価格弾性値の推定が完了し、製造業については、わが国ではほぼ0.4、米・独両国でも0.38〜0.45の範囲にあることが1980年代前半までのデータから確認された。 4.慶応大学一般均衡モデルの日米両国への拡張結果から、両国の各産業部門の価格競争力の推定が、1970年と1980年の2時点に関して行われ、エネルギー価格の上昇と賃金の上昇とが、両国の相対価格体系に与えた影響が詳細に分析された。 5.わが国の電力産業の産業組織論的研究を進め、これまでエネルギー政策の前提の一つとされてきた電力業における規模の経済性が失われてきたことを実証的に確認し、従来の規制政策の緩和を必要とすることを指摘した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 天野明弘: "1990年代のエネルギー価格と環境問題" 『エネルギーに関する社会的・経済的諸問題I』 文部省科学研究費 平成元年度研究成果報告書. 1-14 (1990)
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[Publications] Kanemi Ban: "On the Relative Leadership in Asymmetric Policy Games among Industrial Economics" Osaka Economic Papers. Vol.38 No.4. 121-136 (1989)
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[Publications] 森口親司, 伴金美: "エネルギー税制と日米経済" 『エネルギーに関する社会的・経済的諸問題I』文部省科学研究費 平成元年度研究成果報告書. 15-26 (1990)
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[Publications] 斎藤光雄, 得津一郎: "エネルギー需要の経済構造" 『エネルギーに関する社会的・経済的諸問題I』文部省科学研究費 平成元年度研究成果報告書. 27-36 (1990)
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[Publications] 斎藤光雄, 得津一郎: "エネルギー価格の変動とエネルギー需要" エネルギー・資源. 60号. (1990)
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[Publications] 新庄浩二: "石油危機と価格体系の変化:1970〜1987年" 経済経営研究年報(神戸大学経済経営研究所). 39号. (1990)
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[Publications] 新庄浩二,北坂真一: "電気事業の費用分析" 『エネルギーに関する社会的・経済的諸問題I』文部省科学研究費 平成元年度研究成果報告書. 47-60 (1990)
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[Publications] 黒田昌裕,新保一成: "国際産業連関表による比較優位構造の分析ーエネルギー価格変化の影響ー" 『エネルギーに関する社会的・経済的諸問題I』文部省科学研究費 平成元年度研究成果報告書. 37-46 (1990)
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[Publications] 天野明弘: "予測・世界の中の日本経済" 東洋経済新報社, 202 (1989)
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[Publications] Kanemi Ban: "“R&D Activity and its Performance in Japan"in D.R.Corson and S.Okamura,eds.,Science and Technology to Advance National Goal" J.S.P.S,
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[Publications] Mitsuo Saito and Ichiro Tokutsu: "“An International Comparison of the MultiーSectoral Production StructureーU.S.A.,West Germany,and Japan."in B.Hickman and F.G.Adams,ed.,International Productivitiy and Competitiveness(forthcoming)" Oxford Univ.Press, (1990)
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[Publications] 新庄浩二: "「電気事業における規模の経済性」林敏彦編『公益事業と規制緩和』所収" 東洋経済新報社,