1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01603509
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 邦夫 群馬大学, 工学部, 教授 (00008442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝田 恭之 群馬大学, 工学部, 助教授 (70154929)
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Keywords | 石炭 / 熱分解 / 流動層 / 触媒 |
Research Abstract |
ベンチスケ-ルの連続式常圧流動層熱分解装置を用いて,熱分解生成物分布に対する熱分解温度,流動層高等の操作条件および流動化粒子の種類の影響について検討した。 (1)操作条件の影響(石炭:Yallourn,雰囲気:He) (1)-1流動層高の影響 シリカサンドを用いて,生成物収率に対する流動層高の影響を検討したところ,生成物収率は流動層高の影響をほとんど受けないことが分かった。すなわち,石炭の熱分解生成物の二次分解に対するシリカサンドの触媒的作用は極めて小さいものと判断できた。 (1)-2熱分解温度の影響,生成物収率は,熱分解温度に強く依存し,熱分解温度を高くすると,炭化水素収率は増加した。いずれの温度でも,ガス状成物の中ではメタンおよびエチレンの収率が高く,また,液状生成物の中ではベンゼンの収率が最も高かった。これは,気相における二次分解が進行したためと考えられた。 (2)種々の流動化粒子による熱分解(石炭:Yallourn 雰囲気:He) (2)-1粒子の種類による影響 熱分解温度600℃の場合,軽質液状生成物の収率はシリカサンド<CaO≦活性アルミナの順となり,CaO,アルミナではシリカサンドの約2倍の収率を得た。この結果より,不活性雰囲気においても熱分解に活性な粒子を用いることによって,二次分解を促進し,軽質液状生成物を増加させることが出来ることが分かった。 (2)ー2流動層高の影響 軽質液状炭化水素は熱分解過程では中間生成物と考えられ,収率を増加させるためには,二次分解に活性な粒子を用いて穏和な条件下で分解させることが必要であると考えられた。接触時間を変えたところ,接触時間を短くすることによって液状生成物の収率が増加することが分かった。最適条件を検討することにより,更に増加する可能性があるものと思われる。
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