1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01603539
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荒井 基夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081537)
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Keywords | セルラ-ゼ / クロ-ニング / CM-セルラ-ゼ / Aspergillus / Trichoderma |
Research Abstract |
本研究は市販Trichodermaのセルラ-ゼと強い相乗効果を示す。酵素アクセラ-ゼ生産菌Aspergillus aculeatusを得たことを出発点としている。この混合酵素の相乗効果の機構を解明を行い、これまでにいくつかのセルロ-ス分解に必要な新しい酵素を発見してきた。本研究は真に必要な酵素群を明らかにし、これらの酵素の遺伝子のクロ-ニングを行うとともに、これらの遺伝子を酵母に導入して、セルロ-スよりエタノ-ルを生成する酵母の育種を計ることを目的にして計画された。成果の概要は以下の通りである。(1)膨潤セルロ-スの酵素分解に大きな役割をするFICMCaseの遺伝子のクロ-ニングを行った。A.aculeatusF50の対数増殖期菌体からpoly(A)+RNAを調製し常法によりcDNAを合成した後pUC13に連結し大腸菌を形質転換した。本酵素蛋白の部分一次構造を基に合成したプロ-ブを用いたコロニ-ハイブリダイゼ-ションにより全長cDNAクロ-ンの取得に成功し、その塩基配列を決定した。次に染色体DNAのクロ-ニングを行った。染色体DNAをXbaIで完全に切断し、断片をpUC19に挿入し、大腸菌を形質転換して染色体DNAライブラリ-を作成した。cDNAをプロ-ブとしたコロニ-ハイプリダイゼ-ションにより選択した陽性クロ-ンのDNAの塩基配列解析の結果、FICMCaseは2個のイントロン(94bp,87bp)を有する892bpのDNA上にコ-ドされていた。(2)大腸菌内で成熟型FICMCaseを生産させることを目標として、発現ベクタpHEM41(3.4kbp)を構築した。このプラスミドはtacプロモ-タ-支配下、成熟型FICMCaseをコ-ドする遺伝子に翻訳開始のATGコドンを付加してある。このプラスミドを大腸菌KP3998株に導入したところ、1%CMCを含む寒天プレ-ト上でコンブレット染色にて明瞭なハロを形成した。さらに、酵母での発現も成功した。
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[Publications] 荒井基夫等: "木質資源活用のためのセルラ-ゼ" 微生物. 5. 573-579 (1989)
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[Publications] Sakamoto,R等: "Reduced Cellulose as a Substrate of Cellulase" Agric.Biol.Chem.53. 1407-1409 (1989)
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[Publications] Arai,M等: "Diffevent Action Mode of 2 Avicelases from Aspergillus aculeatus" Aqric.Biol.Chem.53. 1411-1412 (1989)