1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01604014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 渥夫 京都大学, 工学部, 教授 (80026088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
功刀 滋 福井大学, 工学部, 助教授 (70111929)
奥居 徳昌 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20111651)
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Keywords | 光制御機能 / 光感応性物質 / 固定化酵素 / 人工筋肉材料 / ポリアクリロニトリル系ゲル繊維 / 超分子構造 / 生体膜エネルギー変換系 / バクテリオロドプシン |
Research Abstract |
1.光感応性物質をゲル高分子中に直接導入あるいは固定化し、光刺激による分子レベルにおける応答、およびその結果としての包括ゲルの物性変化と酵素活性との関係について検討した。光可逆的なトランス・シス異性化反応を起こすアゾベンゼンや可逆的に光イオン化するトリフェニルメタンロイコ体を使用し、ゲル内部の微細構造変化の誘引とグルコアミラーゼ活性の制御を試みたが、感応物質の光応答はあるものの酵素活性の制御までには至らなかった。しかしながら、イオン解離によるゲル内部のpHの可逆的変化が酵素に光制御機能を賦与しうる可能性を示唆した。(田中) 2.前年、ポリアクリロニトリル(PAN)系ゲル繊維がpH変化の刺激により伸縮応答し、人工筋肉物質として優れていること、およびイオン強度による変化も起こりうることを明らかにした。そこでさらに電解質溶液中の金属イオン種の影響を調べたところ、ゲルは金属1価イオン溶液で膨潤し、2価イオンで収縮した。また、塩化ナトリウム/塩化カルシウム水溶液濃度変化では、生体筋における収縮特性と同様にカルシウムイオン濃度の変化で、PAN系ゲルも敏感に収縮応答することが確かめられた。(奥居) 3.生体膜でのエネルギー変換機能をモデル化するために、生体膜由来タンパク質素子と合成高分子担体とのハイブリッド化を通してこれらの素子の配向・分布・配列の制御を行ってきた。今年度はバクテリオロドプシンの配向固定化において、配向特性を高めるために乾燥膜での配向化を検討した。すなわち、材料としての有効性を高めるために、水溶性の高分子との混合物からキャスト法によって調製した乾燥薄膜中での配向性を調べ、キャスト溶液内に混在させた合成脂質を変えることにより、配向の方向を制御しうることがわかった。(功刀)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akihisa Aoki: "Construction of a photoーcontrollable enzyme reaction system by ctーimmobilization of an enzyme and a semiconductor" Biocatalysis. 2. 89-95 (1989)
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[Publications] Takuo Kawamoto: "Novel photocatalytic NAD^+ recycling system with semiconductor in organic solvent" J・Ferment.Bioeng.67. 361-362 (1989)
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[Publications] S.Umemoto: "Construction/elongation behavior of poly(vinyl alcohol)ーcopper complex gel fibers" R.P.P.P.J.31. 303 (1988)
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[Publications] 梅本晋: "アクリルアミドゲル繊維の溶媒組成変化による膨潤収縮挙動とその機構" 材料科学. 26. 42 (1989)
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[Publications] S.Kunugi: "Proteaseーcatalyzed peptide formation under high pressure" Bull.Chem Soc.Japan. 62. 514-518 (1989)
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[Publications] M.Fukuda: "Mechanism of salt activation of thermolysin:Relation with pressure activation and implication of hydration change coupled with rate process" Biocatalysis. 2. 225-233 (1989)