1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01604024
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉田 泰彦 東洋大学, 工学部, 助教授 (80134500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70011187)
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Keywords | イオンプレーテイング / マイクロ波プラズマCVD / 低温合成 / 湿度センサー / ダイオード / 酸化高温超伝導体薄膜 / 有機金属錯体 / ジクロロビス(ηーシクロペンタジエニル)チタン |
Research Abstract |
1.有機金属錯体のイオンプレーテイングによる金属と有機の複合薄膜 有機金属錯体モノマーとしてジクロロビス(ηーシクロペンタジエニル)チタン(Cp_2TiCl_2)を用いて、高周波イオンプレーティング法によりチタン金属を含む有機薄膜を作製した。生成した薄膜はかなりの架橋構造を有しているが、X線回折パターンからはCp_2TiCl_2の結晶構造が残存していることが明らかとなった。この薄膜の電気的特性はその抵抗率が測定雰囲気の湿度に大きく依存し、湿度センサーとしての機能性を示した。また、このCp_2TiCl_2薄膜上に1ーヘキセンをプラズマ重合して作製した積層膜は、ダイオード特性を示した。 2.マイクロ波プラズマCVD法による超伝導薄膜の作製 Bi、Sr、Ca、Cu系有機金属化合物のマイクロ波プラズマCVD法による酸化物高温超伝導薄膜の低温合成の可能性を検討した。プラズマ発生部を2重管にし外側にO_2、内側にArガスを導入した新しいマイクロ波(2.45GHz)プラズマCVD反応装置を設計・制作して、種々の酸化物薄膜を作製した。原料としては、Bi(C_6H_5)_3、Sr(PPM)_2、Ca(PPM)_2、Cu(HFA)_2をオイルバスで加熱し、Heをキャリアーガスとして導入した。基板にはMgO(100)を使用し、IRランプにより400℃に加熱した。それぞれBi_2O_3、SrF_2、CaF_2、CuOに結晶層を含む薄膜が合成された。次に、これらBi_2O_3、SrF_2、CaF_2、CuO薄膜をそれぞれ一層づつ4層積層した膜をアニールとすると、積層膜にTc_<onset>65Kの超伝導特性が得られた。 3.以上の研究によりイオンプレーティング法により有機ー無機の複合膜の作製が可能であり、薄膜トランジスタや分子デバイス等への応用が可能であることを明らかにした。また、有機金属化合物を原料として、金属酸化物の積層膜が設計・合成されることと超伝導特性をもたせられることを明らかにした。
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[Publications] Y.Matsuzaki: "Charaterization of a-Si:H and aーSic:H:F heterojunctions by in situ Xーray photoelectron spectroscopy" Philosophical Magazine B. 60. 35-49 (1989)
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[Publications] 中川裕一: "ブタジエン/酸素混合ガスのプラズマ重合" 高分子論文集. 46. 209-213 (1989)
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[Publications] Y.Yoshida: "PLASMA POLYMERIZED 1,3ーBUTADIENEーN_2 THIN FILMS" Proc.Jpn.Symp.Plasma Chem.2. 225-229 (1989)
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[Publications] 吉田泰彦: "プラズマ重合による機能性膜" 海外高分子研究. 35. 201-202 (1989)
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[Publications] 吉田泰彦: "プラズマイオンプレーティング" 高分子. 38. 1077 (1989)
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[Publications] 吉田泰彦: ""分子膜形成の素過程",分子設計技術ーーニューロサイエンス、遺伝子工学、分子.バイオエレクトロニクスーー(岡田正和、菅野卓雄、米澤貞次郎、山岸俊一、太田隆久編集)" サイエンスフォーラム, 4 (1989)