1989 Fiscal Year Annual Research Report
狭ギャップII-VI族半導体の極薄膜成長法に関する研究
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01604531
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 正清 東京工業大学, 工学部, 教授 (30110729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 修 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10187643)
小田 俊理 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50126314)
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Keywords | MBE成長 / 水銀テルル / カドミウムテルル / ヘテロエピタキシ- / MIS構造 / MISトランジスタ / 界面準位 |
Research Abstract |
MBE法により、InSb基板上にCdTe薄膜をヘテロエピタキシャル成長させて、結晶状態とその界面の電子状態を評価し、最適堆積温度Tsを求めた。ソ-スには6Nの多結晶CdTeを用い、堆積速度は1.6μm/hに固定した。Ts=207℃〜243℃の範囲で鏡面の表面を持つ単結晶が得られ、また、これをMIS構造と考えた時のC-V特性から、77Kにおいて、界面が蓄積状態から反転状態まで変化することが示せた。なお、この温度範囲ではTsが高いほど良好な結晶性とC-V特性を示した。Ts=243℃場合について、タ-マン法で界面準位密度を評価し、密度分布がU字型をしており、その最低値が2×10^<11>cm^<-2>eV^<-1>であることが分った。また、ゲ-ト絶縁膜に加えることのできる電界は1MV/cm程度であった。界面に誘起できる面電荷密度が10^<12>cm^<-2>程度と計算されるから、MIS電界効果トランジスタに利用可能な界面が実現できたと判断した。 CdTe/InSbヘテルMISトランジスタを試作し、77Kにおけるトランジスタ動作を世界で初めて確認した。CdTeのコンタクト穴あけには、アルコンスパッタ法を用いた。低ドレイン電圧領域から算出した移動度は、1200cm^2/Vsであった。 これらの結果、CdTe/InSbヘテロ接合がMIS構造として取扱えることが初めて実証され、しかも、ある成長温度範囲ではSiO_2/Si界面に準ずる良好な界面が実現できることを明らかにできた。 水銀テルルのMBE成長のための基礎的検討を簡易装置を用いて行ない、Ts=200℃において多結晶膜を得た。成長に必要な水銀フラックスは6×10^<17>/s程度であって、水銀ビ-ムを直径cm程度に絞れれば、既存のMBE装置が使えるとの見通しを得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Oda他: "Heteroepitaxial Growth of HgTe on InSb at 200℃ by metalorganic Chemical vapor Deposition Using Diterarybutyltelludirde" Journal of Applied Physics. 65. 1808-1809 (1989)
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[Publications] A.Hayashi他: "MBE Grown CdTe/InSb Hetero MIS Transistors at 77K" (1990)
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[Publications] 林厚宏他: "CdTe/InSbへテロ構造のMISトランジスタへの応用" 応用物理学会秋季大会(28a-ZA-2). 1060 (1989)