1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01604575
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 広志 大阪大学, 工学部, 教授 (30028930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 直人 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029200)
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
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Keywords | 超高圧電子顕微鏡 / 照射効果 / 新素材 / 原子注入 / 電子チャネリング / 格子欠陥 / 照射損傷 / ド-ピング |
Research Abstract |
平成元年度においては、当研究代表者らのグル-プが開発した電子線照射誘起現象を用いた新素材作製法の内で、特に電子線照射誘起異種原子注入(EII-FAI)について考察を加え、その共通原理を求めることを目的とした。この方法は予め電着、機械的な圧着、熱処理などの手法で標的異種原子よりなる物質の母材の表面、または母材の中に球状とか平板状に分布させておき、それに所定の方向から高エネルギ-電子線を照射して所望の異種原子の注入を行なうものである。総計15種類におよぶ標的異種原子/母材基板の組み合わせについてEII-FAI法の実験を行ない、異常原子の注入速度は次の諸因子に左右されることを明らかにした。a)異種原子物体に電子線照射損傷を発生させる電子の臨界エネルギ-と入射電子の比。後者が前者に対して大きいほど効果的であり、実用的には後者が前者の約3倍以上となると効果的である。b)注入しようとする物体と母相固体の衝突断面積の比。両者は共に電子のエネルギ-に依存するが、前者が後者に対して出来るだけ大きくなる電圧を設定することが効果的である。c)EII-FAIを行なう材料の温度。空孔の不動化する低温ほど有利。d)注入原子と母相原子間の結合力およびそのモ-ドに依存する。すなわち注入原子によってアモルファス化する場合には注入速度は桁違いに速くなる。e)注入原子および母相原子の原子半径比に強く依存する。一般に前者が後者より大きいほど注入は容易となる。f)母相で電子チャンネリング現象が盛んであることを必要とする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤田広志: "超高電圧電顕法とそれによる新研究分野" 鉄と鋼. 75. 853-863 (1989)
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[Publications] 藤田広志: "超高電圧電顕法によるミクロの研究室" 金属. 59. 22-31 (1989)
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[Publications] H.Fujita: "The research center for ultra-high voltage electron microscopy at Osaka University" Journal of Electron Microsc.Tech.12. 201-218 (1989)
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[Publications] H.Fujita: "Ultra-high voltage electron microscopy and its application to new research fields in materials science" Iron and Steel Inst.Japan. 30. 70-81 (1990)
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[Publications] H.Mori: "Present status and future of in situ experiments with HVEM" Journal of Electron Microsopy.38. S66-72 (1989)
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[Publications] H.Mori: "High-resolution electron microscope studies of irradiation induced crystalline-to-amorphous transition in B_4C" Phil.Mag.Lett.,. 61. 49-53 (1990)