1989 Fiscal Year Annual Research Report
触媒機能喪失タンパクを用いた計測および精密分離法の開発
Project/Area Number |
01604591
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 安彦 九州工業大学, 工学部, 教授 (90039040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿本 幸司 九州工業大学, 工学部, 助手 (00117300)
吉永 耕二 九州工業大学, 工学部, 助教授 (00040436)
木藤 武利 九州工業大学, 工学部, 教授 (10039076)
浅原 照三 東京大学, 九州工業大学, 名誉教授
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Keywords | 高効率バイオリアクタ / 触媒機能喪失タンパク / タンパクの固定化 / 精密分離カラム / 変異タンパク生産 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
特定物質の選択計測ならびに精密分離手法は、精巧かつ高効率バイオリアクタ-システムの開発には必須の要件であり、本研究は触媒機能を喪失した酵素タンパクの分子認識機能を利用して所期の目的を達成しようとするものである。 1)酵素タンパクの固定化 固定化用酵素としてグルタミン酸デヒドロゲナ-ゼ、仔牛腸および大腸菌アルカリホスファタ-ゼを選び、固定化用担体として多孔質ガラスビ-ズを用い、ポリエチレングリコ-ル4000(PEG)スペ-サを用いる方法と比較のため用いない方法で、塩化シアヌル法、コハク酸イミド法およびアルデヒド法で固定化を試みた。その結果、多少の例外は認められたものの、グルタミン酸デヒドロゲナ-ゼの固定化ではスペ-サ-を用いない場合のほうが固定化酵素量は大であったが、固定化酵素の全活性および遊離酵素に対する比活性は低下した。またアルカリホスファタ-ゼの固定化でもPEGを用いないほうが固定化酵素量は大であったが、逆に固定化酵素の全活性および比活性はPEGをスペ-サとしたほうが良好な結果を与えた。 2)固定化酵素の触媒作用の失活化 人為的に失活させた酵素を用いて精密分離カラムを作成する目的で、固定化酵素の活性中心を化学修飾法で封鎖し、失活させることを試みたが、遊離酵素とは異なり失活化に抵抗し、現在まで満足できる結果を得ていない。したがって、化学合成法で作成したミスセンス変異DNAの単鎖フラグメントを用い、site-directed mutagenesisによってアルカリホスファタ-ゼの活性中心のセリン残基をアラニンで置換した変異タンパクの大量生産法を検討している。
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