1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01608003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 雅史 立命館大学, 理工学部, 助手 (80209618)
森田 龍弥 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029204)
園田 頼信 熊本大学, 工学部, 教授 (70037836)
樋口 宣男 KDD, 上福岡研究所・機能処理研究室, 主幹研究員
今泉 敏 東京大学, 医学部, 助教授 (80122018)
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Keywords | 音声合成 / 言語処理 / 発話速度 / 声質合成 / 調音結合 / 自然性 / 明瞭度試験 / 韻律規則 |
Research Abstract |
1.目的 十分に自然な文音声を規則合成する技術を確立するために、1)話者や話法などの発話要因による声質や分節的特徴の変化をより精密に合成する手法と、2)言語学的情報(統語・意味・読話情報等)が音声に及ぼす効果を精密に合成する手法を検討・開発した。 2.方法・結果 1)入力文章から音声合成に必要な言語情報を決定するために、辞書照合による文章の区分化と形態素間の接続妥当性に応じた区分修正の2段階形態素解析によって文章を単語単位に区分し、統語・意味・談話解析によって統語境界・重要度等の言語情報を抽出する方法を確立した。2)文章から自然な韻律パタンを合成する方法を開発した。この方法では、読みに関する連濁、促音化、数詞・記号等の処理規則と発音辞書を用いて区分された文章を音素記号列に変換し、韻律語(韻律の基本単位)としてのアクセント型を決定する。さらに、統語境界・重要度の指標をもとにアクセント変形に関する韻律記号生成規則によって休止・フレーズ・アクセント記号からなる韻律記号時系列を求め、異音化処理も行って単音記号列を出力する。3)種々の音質合成を可能とする多項式音源モデルを提案し、各種発声条件に於ける男女声に対して評価実験を行いその有効性を確認した。4)発話速度の速い会話調の音声のホルマントパタンを生成するために、母音間の移行を表す二次遅れ系のステップ応答に子音・母音間の移行特性(一次遅れ系)が重畳するモデルを提案し、明瞭度試験によってその有効性を確認した。5)声道3次元形状や口唇形状の実測に基づくより人間的音声合成モデル・制御方式を検討した。5)これらの知見に基づき音響特性をより精密に合成できる複数の極零回路からなる新しい音声合成器を開発した。 3.結論 以上を総合して日本語文章からの音声合成システムを構成し天気予報文を対象に有効性を確認した。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] S.Imaizumi: "Effects of speaking rate on formant trajectories and inter-speaker variations." Ann.Bull.RILP.23. 27-37 (1989)
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[Publications] S.Imaizumi: "A Polynomial Glottal Source Model for the Synthesis of Various Voice Qualities." Ann.Bull.RILP.23. 109-118 (1989)
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[Publications] S.Imaizumi: "A study on formant synthesis by rule with vahable speaking rate." Preprints of the Third Symposium on Advanced Man-Machine Interface Through Spoken Language,December 5-8,1989,Tokyo,Japan.11. 1-8 (1989)
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[Publications] 今泉敏: "発話速度を考慮したホルマント軌跡のモデル化の検討" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー1. 1-8 (1989)
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[Publications] 今泉敏: "速度変化を考慮したモデルによる音声合成の検討" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー5. (1989)
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[Publications] 今泉敏: "速度可変型ホルマント合成規則の検討" 電子情報通信学会技術報告. SP89ー64. 1-8 (1989)
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[Publications] 藤崎博也: "日本語テキスト音声合成システムの音韻処理の検討" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー2. (1989)
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[Publications] 藤崎博也: "高品質の音声合成のためのターミナル・アナログ型音声合成" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー6. (1989)
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[Publications] H.Fujisaki: "A System for synthesis of high-quality speech from Japenese text." Preprints of the Third Symposium or Advanced Man-Machine Interface Through Spoken Language,December5-8,1989.Tokyo,Japan. 1-6 (1989)
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[Publications] H.Fujisaki: "A system for synthesizing Japanese speech from orthographic text." Proc.IEEE ICASSP-90. 21. S6a (1990)
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[Publications] 園田頼信: "磁気センサを用いた調音運動の計測装置" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー4. (1989)
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[Publications] 園田頼信: "磁気センサを用いた舌運動計測システムー誤差に関する検討ー" 電子情報通信学会技術報告. SP89ー37. (1989)
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[Publications] 園田頼信: "発話時の口唇の運動特徴" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー8. (1989)
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[Publications] Y.Sonoda: "Improved opto-electric sensing system for measuring tangue dynamics." J.Acoust.Soc.Jpn.11. (1990)
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[Publications] 松村雅史: "舌と下顎の調音運動を用いた発声代行システムーホルマント周波数の推定と連続母音の合成ー" 電子情報通信学会論文誌(A). (1990)
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[Publications] 松村雅史: "MRIによる声道形状の計測" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー3. (1989)
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[Publications] 松村雅史: "MRIによる声道形状の特徴抽出とそのモデルー舌形状の特徴抽出とそのモデル化ー" 文部省科学研究費重点領域「音声言語」(平成元年度)「音声言語によるマン・マシン・インターフェイスの高度化」研究報告. PASL 01ー5ー7. (1989)
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[Publications] 杉浦淳: "声道形状の計測に基づく舌の調音モデル" 電子情報通信学会技術研究報告.SP89ー39. (1989)
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[Publications] 杉浦淳: "磁気共鳴映像法による 3次元声道形状の計測ーフォルマント周波数の推定と音声生成モデルー" 電子情報通信学会技術研究報告. SP.89ー118. 65-72 (1990)
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[Publications] S.Imaizumi: "Perceptual Evaluation of a Glottal Source Model for Voice Quality Control." Preprint of the 6th Vocal Fold Physiology Conference., 111 (1989)