1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01625002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樺山 紘一 東京大学, 文学部, 助教授 (30027544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北松 暁夫 東京大学, 文学部, 助手 (00186264)
奥田 敬 一橋大学, 商学部, 助手 (40194493)
小林 一宏 上智大学, 外国語学部, 教授 (60053625)
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Keywords | 地中海 / イスラーム / 文化接触 / 他者認識 / 植民地 / 都市 / 家(イエ) |
Research Abstract |
当該課題についての研究第二年次は、第一年次に続いて関連研究文献の蒐集と整理にあてられた部分が多い。これまで、イスラーム世界とヨーロッパとの関係については、十字軍、レコンキスタ等、比較的狭く限られた領域において論じられていたが、文献精査の結果、わが国ではあまり扱われてこなかったテーマに研究成果が蓄積されていることが、明らかとなった。地中海商業史、オスマン帝国とヨーロッパ諸国との関係史などについては、ことに多量の知見がえられた。これらは、パソコンにデーターベースとして蓄えられつつあり、今後の作業もあわせて、有用な情報を提供しうるとの見通しがえられた。 代表者、分担者による個人的研究のほかに、研究会による共同研究が進められ、前後5回のディスカッションが行なわれた。ここで特徴的なことは、重点領域研究に属する他の研究グループと合同の研究会がもたれた点である。本研究グループは主にヨーロッパ史研究者からなっているが、固有のイスラーム史研究者との間に、比較の視点の重要性に関して合意ができあがった。このため、関連のヨーロッパ史研究者の参加をもえて、両世界の比較を目的とした研究会がもたれ、地中海世界をめぐる主要な論点にかんして、討議がおこなわれた。その論点は、都市内の地縁集団、家(イエ)、祭りなどであるが、従来ややもすれば、ヨーロッパ史的な偏りから論じられてきたものについて、比較による相対化の手続きがほどこされた。 なお、全体として歴史的研究に偏るところが多いことから、今後にあっては、社会学・人類学上の成果についての配慮すべきであるとする反省が加えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 樺山紘一: "北アフリカ都市における「外部性」について" 科学研究費助成金(海外調査)報告. (1990)
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[Publications] 奥田敬: "ナポリ啓豪研究文献案内" 経済資料研究. 22. 13-35 (1989)
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[Publications] 北村暁夫: "イタリア・ナショナリスト協会ー第1次世界大戦前夜ー" 創文. 307. 18-22 (1989)