西アフリカ内陸イスラム都市の比較研究

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01625011
• Research Institution: Shizuoka University
• Principal Investigator: 嶋田 義仁 静岡大学, 人文学部, 助教授 (20170954)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松田 素二 大阪市立大学, 文学部, 講師 (50173852) ; 和崎 春日 神奈川大学, 外国語学部, 教授
• Keywords: アフリカのイスラム / フルベ族の聖戦 / バムン / ジェンネ / 都市出稼ぎ民 / 牧畜民 / 長距離交易 / エスニシティ

Research Abstract

1 研究会。本年は合計4回の研究会を開催した。うち3回はM班との合同、一回はM班T班との合同研究会であった。研究会の数は前年に比較して減少したが、その分、本年は、昨年の研究成果を踏まえての、各メンバーのより自主的な研究活動がおこなわれた。また、研究会の質的充実を図り、本年の各研究会は複数発表者による小シンポジウム形式を取ると共に、他班メンバーのみならず、本重点領域研究の正式メンバー以外の研究者の参加も積極的に求めた。大学院レベル学生の参加も、常にあった。
2 海外研究者との交流。他方研究代表の嶋田と、松田は、本研究の研究課題と深く関連した海外調査への参加を通じて、海外の関連研究者と交流し、当該プロジェクトの概要を伝えるとともに、今後の研究協力の約束を得た。
3 研究内容の進展。アラブ地域のみならず、マグレブ、トルコ、さらには東方イスラムの専門家など様々の地域の研究者の参加を得ての小シンポジウムを繰り返すことによって、アフリカ・イスラム都市のどこに地域的な固有性があり、どこに地域を超えたイスラム都市としての普遍的性格が見られるか、という問題についての理解がかなり進んだ。
4 研究成果の発表。本年度も、研究メンバーの研究成果発表は極めて活発であった。
5 データ・ベイス化。パソコンを購入して、基礎資料のデータ・ベイス化を始めたが、適当なソフトの入手・開発、資料入力のための人件費の問題などがあり、データ・ベイス化はまだ試行錯誤の段階にある。

Research Products

• [Publications] 嶋田義仁: "牧畜民の都市性:その商品生産能力をめぐって" 「イスラムの都市性研究報告(研究報告編)」. 16. 22-47 (1990)
• [Publications] 嶋田義仁: "宗教民俗学" 『宗教学を学ぶ人のために』世界思想社. 157-183 (1989)
• [Publications] SHIMADA Yoshihito: "Jihad as Fulbe dialectical Movement and Formation of Islamic Identity among the Fulbe" THE THIRTEENTH INTERNATIONAL TANIGUCHI FOUNDATION SYMPOSIUM Unity and Diversity of a people-The Search for Fulbe Identity. 32 (1989)
• [Publications] 嶋田義仁: "「裸族文化」から「衣服文化」へー西アフリカ内陸社会における「イスラム・衣服文化複合」の形成ー" 『国立民族学博物館研究報告』. 別冊. (1990)
• [Publications] 嶋田義仁: "宗教と政治ーその根源的同質性をめぐってー" 『宗学哲学研究』. 7. 17-36 (1990)
• [Publications] 嶋田義仁: "国家形成と社会的分業ーフルベ・イスラム国家をめぐる予備考察" 『社会構造における自己組織化の論理と構造』. (1990)
• [Publications] 嶋田義仁: "アフリカの宗教" 『アフリカ講座』勁草書房. (1990)
• [Publications] 和崎春日: "象徴空間としての王との構造" 『異文化の理解』平河出版. 268-300 (1989)
• [Publications] 和崎春日: "都市の民俗生成" 『都市民俗学への誘い』. 2. 111-134 (1989)
• [Publications] 和崎春日: "都市のボランタリーアソシエイションとしての祭り保存会" 『都市問題研究』. 463. 62-80 (1989)
• [Publications] 和崎春日: "祭りから見た都市論ー日本の都市祭礼から見たアフリカ都市ー" 「イスラムの都市性研究報告(研究報告編)」. 17. 30-47 (1990)
• [Publications] 和崎春日: "カメルーン・バムン王権社会のヤシ文化複合" 『国立民族学博物館研究報告』. 別冊. (1990)
• [Publications] 松田素二: "語りの意味から操りの力へー西ケニアのフィールドワークからー" 『人類学的認識の冒険』. 357-386 (1989)
• [Publications] 松田素二: "必然から便宜へ" 『環境問題の社会理論』. 93-133 (1989)
• [Publications] 松田素二: "フィールド・ワーク再考" 『季刊人類学』. 20ー3. 4-33 (1989)
• [Publications] MATSUDA Motoji: "Invention of Urbain Tradition" African Urban Studies. (1990)
• [Publications] 松田素二: "「伝統の精製、氾濫そして反逆」" 『アフリカの可能性』日本放送出版協会. (1990)
• [Publications] 松田素二: "都市と出稼ぎ民ー生成される都市性ー" 「イスラムの都市性研究報告(研究報告編)」. (1990)