1989 Fiscal Year Annual Research Report
自然言語と図形を用いた対話における意味理解と知識獲得に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01633529
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小原 啓義 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 幸宏 早稲田大学, 理工学部, 助手 (20193526)
大石 進一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20139512)
白井 克彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063702)
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Keywords | 知的CAI / マン・マシンコミュニケ-ション / 対象世界モデル / 知識表現 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引続き高校化学を対象とする知的CAIシステムと学生の対話を題材として、人間-機械間のコミュニケ-ションに関する基礎的検討を行った。特に、学生に知識を効果的に伝授するための教師の発話内容と、そのような発話能力の実現方法について検討した。 問題演習を通じて、学生により本質的な理解をさせるためには、求解に利用される知識がどの様な理由で成立するかを教える必要がある。ここではこの理由を知識の成立原理と呼ぶ、知識の成立原理を説明する能力を実現するため、まず高校化学の計算問題で利用される知識を分類した。さらに各タイプの知識毎に、その成立原理を説明するためにシステムが把握すべき事柄について整理した。その結果、利用される知識は数量間関係の知識、化学現象の知識、物質・物体に固有な構造・属性についての知識等に分類され、知識の成立原理として、問題で扱う系の各時点での状態(実体概念の属性値や実体概念間の位置関係、接続関係、包含関係等)、系に働く作用、系に生じる変化、及びそれらの相互関係等が重要な役割を果たす事が明らかになった。これらり事柄を教育システムが把握するためには、系の状態を、系に働く作用や、それによって生じる変化を考慮してシミュレ-トし、化学現象に関するモデルを構築する機構を持つ必要がある。そこで化学現象モデルについて検討を行い、具体的なモデル表現手法を提案した。提案されたモデルは、(1)演修問題を解くための知識と関係づけられており、その知識の成立原理を説明する際に利用できる、(2)系の状態・作用・変化の関係を陽に記述できる,等の特長を持つ。 以上の成果をもとに,ワ-クステ-ション上に演習問題求解システムを構築し、昨年度の成果である対話システムと接続して、知識の成立原理を説明できる対話型教育システムを実現した。
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Research Products
(2 results)