1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01634006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満田 節生 東京大学, 物性研究所, 助手 (90183962)
門脇 広明 東京大学, 物性研究所, 助手 (70194876)
山田 和芳 東北大学, 理学部, 助手 (70133923)
神木 正史 東北大学, 理学部, 助教授 (30004451)
吉沢 英樹 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00174912)
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Keywords | 中性子非弾性散乱 / 中性子分光器 / 稀釈冷凍機 / イヂング型反強磁性体 / 悪魔の階段 / 重いフェルミ液体 / TbNi_2Si_2 / CeInCu_2 |
Research Abstract |
中性子非弾性散乱実験装置(中性子分光器)の建設に忙しい一年であった。高エ研・ブースター利用施設に高性能チョッパー分光器及び原研改造3号炉に三軸型偏極分析付中性子分光器を完成させた。チョッパー分光器は既に性能テストの為の試運転を行ない目標の性能が出ている。 昨年に引き続き稀釈冷凍機付クライオスタットを使って実験を行なったが、再度混合液の漏曳の為に実験が中断し現在も修理中であり、中性子散乱実験は結局出来なかった。来年度払本的に修理をし、完全な形に復旧する為の対策を計画中である。 イヂング型反強磁性体のTbNi^2Si_2、及びPrCo_2Si_2の単結晶を使って磁気相転移の研究を行ない、特に磁場中相転移によって複雑な磁気構造の解析に成功した。「悪魔の階段」とよばれる相転移近傍に見られる現象を解明する為の準備の為の単結晶試料の純化も進んでいる。 「重いフェルミ液体」物質CeInCu_2の磁気相関が明らかになった。NMRで見つかった異常が比熱には見られなかったことから磁気秩序の有無について結着が迫られていた。中性子散乱の結果は比熱の結果とNMRの結果が両方共正しいことを証明した。すなわち、反強磁性秩序は立方晶のTYDEIで{111}面内で三角格子をつくり、わずかのランダム性の導入によるフラストレーションの解消がTYPEI型の長距離秩序形成をさまたげ、その結果NMRが異常を示した温度で「スピングラス」のようなスピンの凍結があることがわかった。Ceの磁気モーメントは縮んでいることもわかり重いフェルミ液体状態になっていることも証明された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Arai: "Upon Comissioning of Mari" KEK REPORT 89-19. 65-79 (1989)
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[Publications] H.Kadowaki et al.: "Neutron Scattering Study of Antiferromagnetic Order in Heavy Fermion CeInCu_2" Jounal of Physical Society of Japan. 58. 4292-4295 (1989)
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[Publications] K.Kakurai et al.: "Magnetic Phase Trandition of Ising Antiferromagnet of TbNi_2Si_2" (1990)
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[Publications] Y.Endoh: "High Energy Magnetic Excitations from Quantum Spin Magnets" KEK REPORT 89-19. 83-87 (1989)
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[Publications] M.Arai,M.Kohgi,M.Itoh,H.Iwasa,N.Watanabe,S.Ikeda,Y.Endoh: "Advanced Neutron Sources 1988" Institute of Physics Cort Series 97, 890 (1989)