1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01635507
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 理学部, 教授 (70037290)
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Keywords | チトクロ-クP-450 / モジュ-ル構造 / 水素結合ネッワ-ク / 立体構造 / 原子間相互作用 |
Research Abstract |
本研究課題の目的はチトクロムP-450の機能の分子的な機構を、その立体構造エネルギ-解析に基づいて解明することであった。緑膿菌のチトクロムP450(P450CAM)の立体構造はX線結晶解析により、原子座標が決定され公表されている。P450CAMの座標をもとに、水素結合のネットワ-クと機能の関連に重点を置いて解析した。P450CAMは423個のアミノ酸残基から成る比較的大きいタンパク質であるが、一個の球状ドメインからできているため、機能と構造の相関を解析するにあたって、タンパク質の構造部品モジュ-ルに分解することが有効である。この目的のために、モジュ-ル構造のコンピュ-タによる自動的同定法を開発した。モジュ-ル構造の同定結果及び分子構造の出力には、本年度購入したレ-ザ-プリンタ-をフルに活用した。この結果、精度の高いモジュ-ル同定法を確立できた。P450CAMは少なくとも、31個のモジュ-ルに分かれた。モジュ-ルの境界は、ほ乳類由来の各種P-450の遺伝子のイントロンの位置とかなりよい一致を示した。P-450の一次構造をほぼ100種にはついて比較し、保存性の高いアミノ酸部位とモジュ-ル構造の関係を調べた。保存性の高いアミノ酸部位は、特にモジュ-ルM22とM27に集中していた。この結果、この2個のモジュ-ルがP-450の機能上重要な役割を担っていることを示す・さらに、慶応大学石村教授のグル-プと共同研究を行い、機能部位と水素結合の関連を明らかにするため、水素結合のネットワ-クの解析をモジュ-ル内部とモジュ-ル間について行い、水素結合はネットワ-クの主なものはモジュ-ル内部に形成されている事実を明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Go: "Module Organization in Cytochrome P-450CAM and Hydrogen-bond Network within and between Modules" (1990)
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[Publications] M.Go: "Automatic Identification of Protein Modules from Tertiary Structues" (1990)