1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01640508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 大阪大学, 薬学部, 助手 (30089875)
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Keywords | 体外受精 / レセプタ- / 精子 / 卵子 / 細胞融合 |
Research Abstract |
マウス精子に対するモノクロ-ン抗体OBF13を作製しこの抗体を用いて様々な検討を行ったところ、精子と卵子の結合/融合のメカニズムを探るうえで、興味ある知見が得られた。ハムスタ-の卵子から透明帯を人工的に取り除くと、異種の精子とも融合できるようになる。そこで、マウスの卵とハムスタ-の卵から透明帯を取り除き、OBF13の存在化で、マウス精子を加えたところ、マウス卵との融合は強く阻害されたが、ハムスタ-卵との融合はほとんど阻害されないことがわかった。 体外受精に適したメディウムの組成は、種によって少しづつ異なっているので、異種間での融合を行なう場合、そのメディウムの組成を精子にあわせるのか、卵子にあわせるのか、あるいはその中間が良いのか譲しい問題である。我々は、卵子にあわせたメディウムを使用したが、そのことによる影響はなかったといえる。すなわち、マウス精子-ハムスタ--卵子の組み合わせだと最適メディウムの不一致のほかに、本来のレセプタ-でないものと結合しなければならないので、融合を起こすための条件としてはマウス-マウスの系に劣っているはずである。にも関わらず、マウス-ハムスタ-の系では有為な阻害が認められなかった。これだけで断定的な結論は出せないものの、ハムスタ-の卵子が異種の精子とも融合できるのは、何か種の確認を行なうためのステップが弱いか、欠落しているのではないかと疑わせる。 OBF13がどのような物質を認識しているのか現在検討中であるが、界面活性剤を用いないと可溶化されないことや、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動後にニトロセルロ-ス紙に転写し、イムノブロットを行なっても、うまく検出されないことが、研究難しくしている。抗原性を残したままの可溶化が、今後の課題である。
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[Publications] Okabe,M.Yagasaki,M.Matzno,S.Nagira,M,Kohara,Y.,Mimura,T.,: "Glucosamire enhamed sperm-egg binding but inhibited sperm-egg fusion in Mouse" Experientia. 45. 193-194 (1989)
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[Publications] Y.Kawai,t.Hama,T.Mayami,M.Okada,S.Makino,Y.Kohama,T.Mimura: "Flow Cytometric Analysis of mouse Sperm Using monocloral Anti-sperm ontibody OBF-13" J.Reprod.Immunol,. 16. 71-82 (1989)