1989 Fiscal Year Annual Research Report
高温加工法による高温超伝導材料の成形および特性評価
Project/Area Number |
01644002
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
永田 明彦 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (20005945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 洋之介 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60111308)
斎藤 栄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40134035)
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
鎌田 真一 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (50006673)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 高温変形 / 圧縮変形 / 塑性変形 / エレクトロンチャンネリングパターン / 集合組織 / 結晶方位決定法 |
Research Abstract |
酸化物超伝導材料の成形加工法の一つと考えられる高温加工法の基礎データは殆んどないので、温度、変形速度、試験雰囲気を変化させ、Y系高温超伝導体(YBCO)の高温変形挙動を調べることを主目的とした。また、高温超伝導体のJcの結晶方向分布に著しく影響されるため、高温加工後の配向性を調べる基礎として、ECP法を用いYBCOの個々の微細結晶粒の方位を決める方法を確立し、プレス加工したテープ線材でJcと配向性との関係を検討することも本研究の目的とした。 YBCOの高温変形挙動は圧縮試験により1123〜1273Kの温度範囲で、大気、真空、Ar、酸素雰囲気中で歪速度1×10^<-4>〜2×10^<-5>S^<-1>で調べた。大気中試験では、1203K以上で塑性変形するが、1173Kでは若干の塑性変形しかみられず、3%以上の変形でクラックが入った。1123Kではほとんど塑性変形せずに破断した。真空中試験では、大気焼成試料は1123Kでも塑性変形するが、酸素焼成試料は殆んど塑性変形しない。また、酸素中試験は1203Kでも殆んど塑性変形しなかった。このようにYBCOの高温変形には酸素分圧が重要な役割を果していることを明らかにした。 ECPによる結晶方位を決める基礎としてまず、YBCOの約200個の結晶粒から取ったECP写真を組み合せ、斜方晶YBCOのC軸[001]を原点とし、これとb、c軸の[1^^ー10]、[1^^ー10]を結ぶYBCOのECPマップを作成した。続いて、Jc=1300A/cm^2とJc=200A/cm^2の銀シースYBCOテープでECPによる結晶方位分布を調べ、Jcとの対応を検討した。前者では(001)面は強い結晶配向性を示し、表面との傾は25°以内であるが、後者では約45°以内でばらついていることを明らかにした。本ECP法では隣接する結晶粒の方位関係を容易に決定でき、粒界とJcとの関係を定量的に検討でき、Jc改善を粒界の構造の観点から議論することを可能とする。
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[Publications] Y.Wadayama: "Superconductivity and Metallurgical Study of Y-Ba-Cu-O Compound" MRS Int'l Mtg.on Adv.Mater.(Tokyo,1988). vol.6. 291-296 (1989)
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[Publications] A.Nagata: "Critical current density and microstructure of YBCO superconductors" Proc.MT-11(Tsukuba,1989).
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[Publications] W.J.Kang: "Analysis of orientation distibution in YBa_2Cu_3O_<7-x> polycrystals by electron channeling patterns" J.Appl.Phys.
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[Publications] 及川誠: "YBa_2Cu_3O_<7ーY>焼結体の77KにおけるJcに及ぼす焼結条件の影響" 日本金属学会誌.