1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01646010
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉森 康宏 東海大学, 海洋学部, 教授 (90013581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 勉 気象研究所, 室長
木村 竜治 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20013576)
深澤 理郎 東海大学, 海洋学部, 助教授 (10143546)
川村 宏 東北大学, 理学部, 助教授 (40169769)
今里 哲久 京都大学, 理学部, 教授 (40025391)
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Keywords | 大気・海洋相互作用 / 大気・海洋熱交換量 / バルク法 / GEOSATーアルチメータ / GMSーVISSR / NOAAーAVHRR / 気象ブイ / 雲量 |
Research Abstract |
本研究は衛星データを利用した熱・運動量・淡水等のフラックスの推定、海洋過程、大気過程の研究に分けられ、本年度は次のような成果を得た。 (1)フラックスの推定:広域の海面の熱フラックスを推定する手法としてバルク法に衛星データを組み込んだアルゴリズムを開発した。ここでは、風速をGEOSAT/アルチメータより、海面水温をNOAA/AVHRRより求め、船舶観測データと併せて計算し、熱フラックスが海面水温に対応していることを確認した。(杉森)海面水温と表層水温の関係を明らかにするため、係留ブイによる連続観測システムを製作し田辺湾にて観測を開始した。これと同時に海洋の放射率の確定のため放射収支量測定を行い、夜間値0.973±0.008を得た。(今里)GEOSAT/アルチメータによる風速と波高の推定アルゴリズムの有効性を、気象庁ブイによる観測値との比較により確認し、これを日本海での季節風吹き出し時の風波の発達の研究に適用した。短波入射量についてもGMS/VISSRデータを用いた高精度な日射量推定モデルを作成し、日本南方海域について解析を行った。(川村)淡水フラックス推定のため船上計測用の降雨量計を試作し、海洋上での実験結果より測定精度について検討した。(深澤) (2)海洋過程研究:海洋表層混合層の短期変動を解析するため、熱の水平移流項を考慮した3次元モデルを適用し、船舶による24時間定点観測データより熱フラックスと風、海面水温の時間変動を解析した。(杉森) (3)大気過程:大気・海洋熱交換量と気象現象との関係を明らかにするため、日本海南部および東シナ海での気象庁ブイデータより3時間毎の熱交換量をバルク法により求め、年間熱損失量を解析した。またGMSの雲画像およびIR資料より東シナ海上の換気の吹き出し現象を解析した。(木村)海に吸収される短波長放射を正確に推定するために、層状の巻雲を含んだ大気・海洋モデルを用いて数値シミュレーションを行った。(高島)
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[Publications] Y.Sugimori: "Study of heat budget in TangoーTriangle area close to the Kuroshio" 東海大学紀要. 29. 187-207 (1989)
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[Publications] Y.Sugimori: "Variability of warm core ring determind by satellite altimetry" Deep Sea Res.(1990)
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[Publications] 杉森康宏: "水平温度傾度を用いた三次元モデルによる混合層発達経過の評価" 東海大学紀要. 29. 143-165 (1989)
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[Publications] 川村宏: "Altimeterによる風波と風速の計測とその大気・海洋相互作用研究への利用" 航水研ノート、空と海. 11. 39-46 (1989)
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[Publications] N.Ebuchi: "Varidation of the significaut waveheight and the speed derived from the GEOSAT Altimeter by using from Ocean Data Buoy Stations" J.Oceanogr.Soc.Japan.
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[Publications] 川村宏: "GMSーVISSRデータの海洋物理学研究への利用について"
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[Publications] S.Kizu: "Study on Incident Solar Radiation in the Ocean South of Japan nsing GMSーVISSR data"
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[Publications] N.Ebuchi: "Growth of Wind Waves with Fetch Observed by the GEOSAT Altimeter in the Japan Sea under Winter Monsoon"
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[Publications] 深澤理郎: "Nonーhydrostatic effects on thermal plume" 東海大学紀要. (1990)
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[Publications] 金栄変: "日本海南部及び東シナ海における大気・海洋間の熱交換量" 気象学会1989年秋季大会講演予稿集. 56. 130 (1989)
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[Publications] 藤原滋水: "済州島風下のカルマン渦列の発生過程ーII" 気象学会1989年秋季大会講演予稿集. 56. 179 (1989)
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[Publications] 木村竜治: "済州島風下のカルマン渦列の発生過程ー(第3報)" 気象学会1989年秋季大会講演予稿集. 56. 180 (1989)
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[Publications] 木村竜治: "寒流域上の冷却によって生じる大気環境のメカニズム" 空と海. 66. (1990)
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[Publications] K.Masuda: "Numerical estimation of the effect of multiple scattering by horizontally oriented hexagonal ice crystal" IRS'88:Current Problems in Atmospheric Radiation(Eds,J.Lenoble & J.F.Geleyn). 53-56 (1989)
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[Publications] K.Masuda: "Sensitivity of radiation absorbed in the ocean to ice crystal layer in the short wavelength region" 5ーth scientific Assembly IAMAP. RB48 (1989)
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[Publications] Y.Wakata: "Lagrangian motions and global density distribution of floating matter in the ocean simulated by using shipdrift data" J.Geophys.Res.