1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01646011
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
久保田 雅久 東海大学, 海洋学部, 助教授 (90147124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩坂 直人 東京商船大学, 商船学部, 講師 (60211760)
|
Keywords | 海面フラックス / 熱フラックス / 運動量フラックス / 熱赤外放射計 / 雲域除去 / 日本海 / 極前線 / バルク法 |
Research Abstract |
NOAAによって作成された総合海洋気象データセット(COADS)を用いて、1950年から1979年の北太平洋に関する運動量フラックス、熱フラックスの気候値データセットを作成した。フラックスの計算にはバルク法を用いた。各月の正味熱フラックスについてみると、10月から2月は北太平洋の全域で熱放出となっており、特に、日本南岸から日付変更線付近までの中緯度帯(黒潮海域)での熱放出が大きい。4月から9月は、熱獲得期となっている。風の応力は、西部北太平洋は東アジア冬季モンスーンによって特徴づけられる。すなわち、秋季から冬季にかけて日本付近では北西風が、また、南シナ海では北東風が卓越するが、夏季にはこれらの海域はごく弱い南風が吹く。人工衛星NOAAの熱赤外データ(AVHRR)に関して、夜間雲域除去アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは、2次元ヒストグラムの利用、また復帰機能をデータにもたせた点などにより、従来のアルゴリズムとは異なっている。実際のデータに、このアルゴリズムを適用した結果は、従来のアルゴリズムと比較して大幅に改善されている。このアルゴリズムを利用して、1988年の1年間における日本海に対するAVHRR時系列データセットを作成し、その結果を解析した。日本海の極前線の位置は、132°E以東で安定していて海底地形の勾配が大きい場所と一致している。しかし、132°E以西では海底が平坦あるためか、非常に変動性に富み、季節によっては大きな蛇行がみられる事もわかった。極前線に限らず、熱赤外画像における勾配の大きい場所と海底地形の勾配が大きい場所には非常に高い相関がある事が示された。この結果から、ポテンシャル渦度の保存則が海面水温場の決定に際しても大きな影響を与えていることが強く示唆される。
|
Research Products
(1 results)