1989 Fiscal Year Annual Research Report
黒潮・親潮周辺域における湧昇とストリ-マ-のリモ-トセンシングによる研究
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01646511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 伸吾 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90202043)
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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Keywords | 暖水塊 / ストリ-マ- / 熱収支 / 海洋衛星計測 / 遠州灘 / 三陸沖 |
Research Abstract |
1.研究の目的と方法 本研究は、上層海洋における熱収支解移の一環として、黒潮系高温水の隣接海域への流出過程を面的かつ時系列に促え、当輸送量を定量化しようとしたものである。 研究の方法としては、まず、黒潮からの暖水流出の発生・移動・消滅過程の水平微細構造を見るために数日〜1週間間隔で連続した人工衛星熱赤外画像を収集解析し、またフェリ-による航路上の表面水温と表面流速の観測を継続し、複数年にわたる長期連続情報として用いた。 2.研究成果 (1)黒潮沿岸域の熱収支に果たす黒潮からの暖水流入の挙動と役割 黒潮直進期の1986年1〜12月と大蛇行期の1987年4月〜1988年3月について、熊野灘・遠州灘に流入する暖水のカレンダ-を作成した。また、県水産試験場の月毎の定線測資料をもちいて流入暖水内外の水温鉛直分布の差異を調べたところ、0-500m平均で2℃程度になることがわかった。これから概算した黒潮から熊野灘、遠州灘への1年間の正味の流入熱量は2×10^<20>Iとなり、この海域の面積200km×300kmで割ると単位面積単位時間あたり平均で100w/m^2sとなり、黒潮周辺域の海面からの熱損失量100〜200w/cm^2sと同程度であることがわかった。また、これを黒潮大蛇行期と非大蛇行期で比較した。 (2)三陸沖暖水塊周辺部のストリ-マ-の統計的性質 1987年に三陸沖にあった暖水塊に流入した暖水ストリ-マ-のカレンダ-を作成し特性を考察した。その結果、平均的には、幅が30km、発生頻度は20日間に回程度、暖水塊の周りを廻る速さは7日で一回転程度であり、南の黒潮前線の山と、東の別の暖水塊から流入する頻度が高いことがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 木村伸吾,杉本隆成: "熊野灘・遠州灘沿岸域への黒潮系暖水の流入過程" 水産海用研究. 54. (1990)
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[Publications] Sugimoto T.,Y.Kawasaki and J.Li: "A description of the time depndent hydrographic structure of the warm streamer around the Kuroshio Warm-Core Ring 86B." Deep-Sea Research. 37. (1990)
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[Publications] Sugimoto T.and H.Tameishi: "Warm-core ring,structures and their role on the fishing ground formation around Japan." Deep-Sea Research. 37. (1990)