1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01646512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
轡田 邦夫 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40205092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乙部 弘隆 東京大学, 海洋研究所, 教務職員 (10169328)
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Keywords | 降水量 / 北太平洋 / 衛星デ-タ / 気象要素 |
Research Abstract |
本研究の目的の一つである北太平洋上における降水量の再評価を、船舶デ-タ及び離島における気象ル-チン観測デ-タを用いて行った。船舶デ-タは、気象庁海洋気象部と米国気象センタ-によってそれぞれ編集されているが、本年度は前者の1971年以降のデ-タを用いた。降水量の評価手法自体は、1960年代に提唱されたものをほぼ踏襲したが、用いた船舶デ-タ数は過去の何れの評価に比べても飛躍的に増大している。 得られた年間降水量の分布を過去の結果と比較した結果、亜熱帯海域では定量的にほぼ一致する傾向がみられる一方、熱帯域では過去の結果に比べて低降水量といった相違点が認れられた。本研究で用いたデ-タは1971〜87年の17年間であり、各年における年間降水量の評価が可能である。その結果は、1980年代初頭における多雨傾向などの顕著な年々変化を示していることから、上記の相違点の要因として、デ-タの期間の相違即ち時間変動の反映が考えられる。 本研究の第三の目標として、洋上における降水量及び気象要素の実測、それらと衛星デ-タとの間の比較があった。本年度は、竣工直後の東京大学海洋研究所の研究船「白鳳財」によって、北太平洋の北緯30度付近の東西測線上において、降水量の自動連続計測と、10数点におけるゾンデ観測を実施した。ゾンデ観測値からは、大気中における水蒸気の垂直積分量の評価を行い、降水量の実測値との比較及び衛星デ-タからの降水量推定値との比較を行った。これらの結果は、衛星デ-タから広域における降水量場を推定する手法の確立に対して、重要な役割を果たすと考えられる。
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Research Products
(2 results)