1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01647519
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
浦部 和順 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50016383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 武 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (30209291)
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Keywords | セラミックス / 加工 / 研削 / 微構造 / 強度 / クラック / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
脆性材料の強度はクラックの大きさと形状に支配されると言う観点から、セラミックスの表面に研削によって発生するクラックを高分解能電子顕微鏡(HRTEM)によって詳細に調べ、セラミックスの強度と研削クラックとの因果関係を解明した。本研究では性質が互いに異なる代表的な構造用セラミックスを試料として研削と強度との関係をセラミックスの性質をパラメ-タとして解析した。性質の異なるセラミックスとして、イオン結合性の強いアルミナ、共有結合性の窒化ケイ素、炭化ケイ素、相転移強化型のジルコニアを選び、これらのセラミックスの強度と研削加工に用いる砥粒の粒度との関係を調べた。その結果、ジルコニアを除くその他の試料では平均曲げ強さは砥粒の粒度の影響があまり顕著でなかったが標準偏差の値は粒径が細かくなると小さくなることが共通的に認められた。一方、ジルコニアの1試料では研削に用いた砥粒の粒度が粗い方が高強度となっていた。これは研削によって表面に出来るクラックの影響より研削により相転移が起こり、このことにより表面に圧縮応力が生ずることの影響が強く表れているためと考えられる。 電子顕微鏡観察によるとクラックは砥粒の通過方向に平行なものとそれに直角方向のものがあった。窒化ケイ素焼結体の表面に研削によって出来たクラックの先端部分を高分解能電子顕微鏡で観察することができた。その結果、表面に沿ってクラックが進行した跡が認められた。ここではクラックの伝播面が電子ビ-ムの方向と斜交しているように見え、さらに窒化ケイ素の格子が不連続となっていてここでクラックの先端部の状況を見ることが出来た。アルミナおよびジルコニアの表面でもクラックの先端を観察することに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小泉光恵、浦部和順: "“傾斜機能複合材料"" 鉄と鋼. 75. 887-893 (1989)
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[Publications] 小泉光恵、浦部和順: "“不均質化によるセラミックスの高機能化"" セラミックス. 25. 920-924 (1989)
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[Publications] S.Ikeda,H.Izawa,K.Urabe and M.Koizumi: "“In Situ Formation of SiC and SiC-C Blocked Solids by Self Combustion Synthesis"" Proceedings of International symposium on Combustion and Plasma Synthesis of High Temperature Materials. (1989)
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[Publications] K.Urabe,Y.Miyamot,M.Koizumi and H.Ikawa: "“Micrstructure of TiB2 Sintered by Self Combustion Method"" Proceedings of International Symposium on Combustion and Prazuma Synthesis of High Temperature Materials. (1989)
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[Publications] 浦部和順,宮本欽生,小泉光恵: "“自己燃焼合成法で作成したTiB2焼結体の徴構造"" 日本セラミックス協会1989年会講演予稿集. 411 (1989)
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[Publications] 浦部和順,堀川武,小泉光恵: "“セラミックスの加工表面クラックと強度"" 日本セラミックス協会1990年年会講演予定. 1990.