1989 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合に基づく多点分子認識場の設計と極性有機化合物の精密識別
Project/Area Number |
01648510
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
青山 安宏 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00038093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 康昭 八戸工業高等専門学校, 講師 (40204838)
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Keywords | 分子認識 / 水素結合 / ホスト-ゲスト / 包接化合物 / 糖 |
Research Abstract |
水素結合を含む多点分子認識場を設計し、それを用いた多官能性の極性有機化合物の選択的な捕促と選択性の発現機構に関して重要な知見を得た。個々の成果は以下のとうりである。 1.レゾルシンードデカナル環状四量体はジカルボン酸を二つのカルボキシル基の関与する二点水素結合により捕捉するが、このときジカルボン酸のアルキル鎖長に関して極めて大きな選択性が得られる。例えば最良基質であるグリタ-ル酸の結合定数(K)は1×10^5M^<-1>であるがメチレン鎖が2つ長いパメリン酸のそれはK=1×10^3M^<-1>である。 2.適当な位置に水素結合場をもつRh(III)-ポルフィリンは配位結合と水素結合の二点相互作用によりアミノ酸を二点固定する。この時水素結合は選択性に大きく寄与する。これは金属配位結合が先に起こるため水素結合が実質的に分子内のプロセスになり分子間の反応に比べてエントロピ-の損失が少なくてすむからである。またこのような相互作用を利用してアミノ酸を選択的に液膜輸送することも可能になった。 3.1で述べたレゾルシンーアルデヒド環状四量体は糖を選択的に水素結合に基づいて捕捉するが、糖のピラノ-ス環の立体化学が重要な因子であり、これに基づいてフルクト-ス(果糖)(捕捉可)とグルコ-ス(ブドウ糖)(捕捉困難)を識別することが可能である。 4.2-ピリジル基をもつレゾルシン二量体は酸(リン酸やカルボン酸)と塩を形成する際アニオンのレゾルシン水酸基による安定化が大きく見られる。すなわち静電相互作用と水素結合の二点相互作用による塩の二点捕捉である。 以上の結果、水素結合は単独では弱いがもう一つ別の(強い)相互作用と重なる分子内プロセスになり、付加体の安定性と選択性に大きな寄与をなすことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Tanaka,Y.Kato,Y.Aoyama: "Two-Point Hydrogen-Bonding Interaction:A Remarkable Chain-Length Selelctivity in the Binding of Dicarboxylic Acids with Resorcinol-Aldehyde Cyclotetramer as a Multidentate Host" J.Am.Chem.soc.111. (1990)
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[Publications] Y.Aoyama,M.Asakawa,A.Yamagishi,H.Toi,H.Ogoshi: "Simultaneous Hydrogen Bonding and Metal Coordination Interaction in the Two-Point Fixation of Amino ACids with a Bifunctional Metallo-porphyrin Receptor" J.Am.Chem.soc.111. (1990)
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[Publications] Y.Tanaka,Y.Ubukata,Y.Aoyama: "Selective Sugar Binding with a Synthetic Polyhydroxy Macrocycle.A Remarkable Selectivity for Furanose over Glucose." Chem.Lett.1905-1908 (1989)
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[Publications] Y.Aoyama,T.Motomura: "Accumulation of Hydrogen Bonding and Electrostatic Binding Sites:Intramolecular Micro-solvation of Salts." J.Am.Chem.soc.