1989 Fiscal Year Annual Research Report
生体応答の有機科学的手段による動態解析を目指す複合制御
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01649506
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
磯部 稔 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 俊夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (90208158)
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Keywords | 核酸の切断 / 抗癌抗生物質 / アセチレン / オキサゾリジン / キラルテンプレ-ト / バリノ-ル / C-グリコシル化 / ヘテロ共役付加反応 |
Research Abstract |
本研究の具体的な研究素材は、DNARNAを切断する新しい抗癌抗生物質としてエスペラミシン、ネオカルシノスタチンに加え1989年夏報告されたダイネミシンのような一連のジアセチレン系天然有機化合物である。これらをリ-ド物質としてその一般的化学合成法を確立した。また純合成化学的にもアセチリドを求核剤としてLewis Acids を複合的に用いる新しい化学を展開した。本年度は、アセチレンを求核剤とし、ヘテロ原子を用いた合成素反応および立体制御合成反応を開発した。すでにヘテロ共役付加反応と命名した共役反応を金キレ-トや立体電子効果を活用し、高位体選択性のもとにこれまで不可能であったアセチレンによる炭素ー炭素結合形成法を開発した。ヘテロ今共役反応はのキラルテンプレ-トとしてD-アミノ酸由来のバリノ-ルを採用して新しい不斉合成法を研究した。バリノ-ルとヘテロオレフィンアルデヒドとをオキサゾリジン環として、分子設計した。金属キレ-トを原理とするため無機塩や反応溶媒などが選択性のみならず反応性自身にも影響を及ぼした。アルキル基の付加はリチウムアルキルでは保護基のカルボニルに付加してしまうが、マグネシウムアルキルではヘテロ共役付加反応が優先的に起き、しかも選択性は100%完璧なものであった。アルケニル基の付加は一般に悪くLiBrを加えることにより僅かながら付加生成物が得られたに留った。しかし大変嬉しいことにリチウムアセチリドを求核剤とすることでアルキニル基の付加が初めてうまく進行した。アセチレン化合物は化学合成的にも応用範囲が広く持つ意味は大きいと考える。アセチリドの炭素-炭素結合形成への利用にケイ素を活用する方法は以前糖質へのC-グリコシル化として報告したが、これをさらに発展させる方向でジアセチレン系中員環合成を検討し効率の良い方法を確立した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Isobe,J.Obeyama,Y.Funabashi,T.Goto: "Asymmetric Synthesis via Heteyconjugate Addition Usiing Eliel's Camphor Template" Tetrahedron Lett. 29. 4774-4776 (1988)
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[Publications] D.Uyakul,M.Isobe,T.Goto: "LAMPTEROMYCES BIOLUMINESCENCE 3…Structure of Lampteroflavin,the Light Emitter in the Luminous Mushroom L.japonicus" Bioorganic Chemistry. 17. 454-460 (1989)
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[Publications] D.Uyakul,M.Isobe,T.Goto: "Lampteroflavin,the first alpha riboflavinylriboflanoside as the light emitter in the luminous mushroom,L.japonicus" Tetrahedron. 46. (1990)
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[Publications] M.Isobe,H.Takahashi,T.Goto: "Lampteromyces Bioluminescence 5…Chemical Synthesis of Lampteroflavin as Mushsroom Light Emitter" Tetrahedron Lett. 31. 717-718 (1990)
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[Publications] M.Ohno,G.Lucacs: "“Synthesis of Antibiotics"Ed.Ansamacrolide" Springer Verlag, (1990)