1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01649510
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 俊郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30135628)
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Keywords | 複合型相互作用 / 不斉識別反応 / メントン / アセタ-ル / 不斉合成 |
Research Abstract |
近年における不斉合成の分野の進歩はめざましく、効率の高い不斉合成法が数多く開発されている。しかしながら、これらの反応の多くはカルボニル基やオレフィンなどの平面分子のエナンチオ面を区別する反応形式の不斉誘導法であり、酵素反応では一般的な、σ対称性の2官性能分子の一方の官能基をエナンチオ選択的に識別して光学活性体へ変換する形式の不斉誘導法の開発は遅れている。我々はこの形式の不斉誘導が酵素反応の特質である基質との弱い相互作用に基づく分子認識や、それと同時に起こる反応部位の活性化など、複合系の共同作用効果を反映している点に注目し、σ対称性ポリオ-ル類のエナンチオ選択的変換反応を取り上げ、酵素反応にみられる分子認識や反応基質の活性化における複合系としての挙動を純化学的に再現することにより、多連続不斉中心を効率的に立体制御する新たな方法論の開発を目指し研究を進めている。 我々は既にメントンとのアセタ-ル化反応とその立体選択的開裂反応を利用した各種プロキラルジオ-ル類のエナンチオ選択的変換反応を見いだしている。本年度の研究により、これら一連の反応を複合化し単一の反応容器で連続的に達成することに成功した。例えば、1,3-ジオ-ルのビスシリルエ-テル誘導体を原料に用い-メントンとの選択的アセ-タ-ル化反応を行った後、続いてアリルシラン-四塩化チタンと処理すると対応する開裂生成物が高立体選択的に得られた。 メソ型1,3,5-トリオ-ルの-メントンとのアセタ-ル化反応がPro-R酵素と3位の酸素の間でエナンチオ選択的に進行し、3連続不斉中心を持つキラルシントンが極めて簡便に合成できることを見いだした。本反応における不斉識別の要因解明を目的として、基質分子に関する一般性の検討したところ、本反応は熱力学支配の反応であり、異性体Aの安定性は分子内van der Waals相互作用に基づくことが明かとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshiro Harada: "Highly Stereoselective Synthesis of 1,3-Diosls Utilizing Intramolecular Hydroboration of Ally Vinyl Ethers." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1989. 1429-1430 (1989)
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[Publications] Toshiro Harada: "Stereochemical Control of Consecutive Stereogenic Cnters by Intra-Molecular Hydroboration of Dialkenyl Carbinol Derivatives." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1990. (1990)
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[Publications] Toshiro Harada: "Enantiodifferentiating Functionalization of Cis-Cycloalkane-1,2-diols and cis-endo-5-Norbornene-2,3-ylenebis(methanol)via Chiral Spiro-acetals Derived from 1-Menthone." J.Org.Chem.54. 2599-2605 (1989)