1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01649512
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥居 滋 岡山大学, 工学部, 教授 (70032927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 勉 岡山大学, 工学部, 教務員 (50168473)
奥本 寛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90183251)
田中 秀雄 岡山大学, 工学部, 助教授 (60032950)
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Keywords | プロスタグランジン / 有機金属 / パラジウム融媒反応 / 立体選択的 / メソ体区別反応 / ハック反応 |
Research Abstract |
医薬として汎用されつつも、いまだ活発な開発研究が続けられているプロスタグランジン(PG)類の新規合成法の開発を目的として、新しい複合系による立体選択的炭素-炭素結合生成反応を開発した。即ち、シクロペンタジェンから1工程で得られるメソ-シクロペンテンジオール(2)を出発物質とする方法を検討した。このメソジオ-ル2は本質的に光学不活性である。我々の方法は、2のオレフィン面と等価なオレフィン炭素を区別しながら、ω-鎖3を導入しようとするものである。このようなメソ体の潜在不斉を発現させるばかりでなく、更にその不斉誘起自体を触媒反応によって実現し、この際望む立体配置をもつ化合物へ誘導する。本法では、光学活性源が1つで新たに2個所の炭素原子上で不斉を誘起させることができる。 まず、シクロペンテノール(1)を用いて当該反応を検討した結果、望ましい立体配置を有する生成物4aを92/8の選択性で得ることができた。この結果を基に、メソ体2の区別反応を行なったところ、望む5aのみが生成し、その選択性は99/1以上であった。更に、いくつかの保護基について検討したところ、5a/5bの比が4a/4bの比の二乗に増幅されるという興味ある新しい現象を見いだした。 ところで、反応機構を考察すると、中間体のアルキルパラジウム種を如何に用いるかによって、さらに適用範囲が広がり、1段階で2つの炭素鎖を導入できる。そして、潜在不斉2つと共に新しい不斉炭素を2つ加えることができる。即ち、1つのキラリティーで4つのキラリティーを制御できる。この新しい直接3成分連結法について次年度で検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sigeru TORII: "Palladium Catalyzed Alkenylation of 1-Siloxycyclopent-2-ene Leading to Enol Silyl Ether of 3-Alkenylcyclopentanones" Chemistry Letters. 1971-1974 (1989)
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[Publications] Sigeru TORII: "Hydrogenolysis of α,β-Epoxyketone and Ester to Aldolin Pd(0)/HCOOH/Et_3N and H_2/Pd/CReduction Media" Chemistry Letters. 1975-1978 (1989)
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[Publications] Sigeru TORII: "Highly Diastereoselective Coupling Reaction of Cyclopentenol Derivatives by Palladium Catalyst" Journal of the American Chemical Society. 111. 8932-8934 (1989)