1989 Fiscal Year Annual Research Report
環状ポリケチドにおける反応設計に基づくマクロリド抗生物資の立体選択的合成
Project/Area Number |
01649520
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竜田 邦明 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40051627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 雅也 慶応義塾大学, 理工学部, 講師 (50118981)
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Keywords | マクロリド抗生物質 / マクロリド / 生合成 / 立体制御 / ハイドライド還元 / ポリケチド / ポリケチドラクトン / 環状ポリケチド |
Research Abstract |
マクロリド抗生物資は、ポリケチドを経て生合成されることが知られているが、いかなる種類のポリケチドがしかにしてマクロリド抗生物質に導かれるかは明らかではない。そこで、本研究は、ポリケチドが生合成経路において、その立体配座および立体配置が制御され還元されて、アグリコン部分に変換される過程を有機化学的に想定し、環状ポリケチド(ポリケチドラクトン)上での立体制御を検討することを主目的とした。ここでは、14員環マクロリド抗生物質オレアンドマイシンを対象物質とした。C-13位のC-メチル基を天然型のR-配置に固定し、他のC-メチル基の立体配置が非天然型であるアグリコンを合成した後、相当するポリケチドラクトン上のエピ化を検討した。まず、メチルα-D-およびL-ラムノシドから適当にC-メチル化されたD-およびL-イドピラノシドを全収率40%で得た。L-イドピラノシドは、アグリコンのC1-C7部分に相当するカルボン酸に導かれ、一方、D-体は、C8-C14位に相当するホスホナ-トに導かれた。両セグメントは、エステル化および分子内ホ-ナ--エモンス反応を経て、C5,C6,C8,C10およびC11位に非天然型の立体配置を有する目的のアグリコンに導かれた。このすべての水酸基を酸化して、ポリケチドラクトンを合成し、エピ化と続くハイドライド還元を検討した。その結果、炭酸カリウムで処理後、水素化ホウ素亜鉛により還元すると、天然型と非天然型のアグリコンがそれぞれ約30%ずつの収率で得られることが判明した。このことは、C6,C8およびC10位のC-メチル基の立体配置がほとんど望み通りにエピ化され、中間体として天然型の環状ポリケチドが生じ、結果的にそれが還元されたことを示唆した。天然型アグリコンは、生合成前駆体のオレアンドライドを経て、2種の構成糖を位置および立体特異的に導入することにより、オレアンドマイシンに導く予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 竜田邦明: "Stereoselective syntheses of 2-deoxy-β-C-arabino-and ribopyranosides:2-Deoxy-β-arabino-and ribopyranosyl cyanides." Bull.Chem.Soc.Jpn.62. 490-494 (1989)
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[Publications] 戸嶋一敦: "The diethylisopropylsilyl group:A new protecting group for alcohols." Tetrahedron Lett.30. 6413-6416 (1989)
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[Publications] 竜田邦明: "The total synthesis of oleandomycin." Tetrahedron Lett.31. (1990)
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[Publications] 竜田邦明: "Biosynthetic studies on oleandomycin by incorporation of the chemically synthesized aglycones." J.Antibiotics. 43. (1990)