1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01650514
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
安永 均 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 直樹 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50017406)
名取 晃子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50143368)
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Keywords | Si(111)7×7 / ステップ / エレクトロマイグレ-ション / 電位顕微鏡 |
Research Abstract |
金属-半導体接触の電気的特性が界面の微視的構造(ステップ、粒界)に影響をうけることに鑑み、界面構造の制御とその電気的特性の測定を本研究の目的とした。このため今年度は、まず半導体清浄表面のステップ構造の制御を試みた。次いで、均質一様な初期界面を形成する技術として有望な表面エレクトロマイグレ-ションをステップ表面で観察した。また、この質量輸送の駆動力を計算機シミュレ-ションと実験により解明した。さらに、表面の電位分布を観察する顕微鏡を製作した。 ステップ構造:Si(111)微傾斜面のステップ構造を低速電子線回折法により冷却CCDカメラで観察した。ステップ構造は約900℃以下の熱処理によって著しく影響をうけることがわかった。急冷するとステップ間隔は不規則であるが、徐冷すると、はじめ規則化と部分的なクラスタ-化が起こり、十分時間が経つと、ステップエッジが一部[112]から[110]へ安定化した。/エレクトロマイグレ-ション:Si(111)ステップ面でAgのマイグレ-ションを走査オ-ジェ電子分光法で観察した。Ag原子の移動度はステップのエッジ方向には約3桁も増加し、それに垂直な方向はあまり変わらないことを見いだした。/駆動力:格子ガスモデル、一定推力のもとで原子分布や構造の時間経過を計算機シミュレ-ションすると、実験で得られる輪送様式が再現できた。実験的には、Si(111)の不純物濃度を変化させ、同一温度でAgの輸率を比較した。これらの結果から、駆動力は静電力であることが明らかになった。/電位顕微鏡:オ-ジェ電子電流のピ-クエネルギ-値が放出位置の電位と直線関係にあることを利用して相対電位分布を測定する顕微鏡を製作した。方式は、走査点毎に特定元素のスペクトルを測定してピ-クエネルギ-を求めるものである。特徴は非接触で表面の電位を高分解(空間位置は電子ビ-ム径、電位は0.1V以下)で測定することができることである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 青木淳一: "Si上Cu層の表面エレクトロマイグレ-ション" 表面科学. 10. 364-368 (1989)
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[Publications] A.Yamanaka: "Surface Electromigration of metal Atons on Si(111)surfaces studied by UHV REM" Ultramicroscopy. 29. 161-167 (1989)
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[Publications] A.Natori: "Time Ecolution of Heterogenous Thin Films During Anncaling" Surf.Sci.220. 165-180 (1989)
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[Publications] H.Yasunaga: "Surface Electromigration and Diffusion of Au on Si(111)7×7" Surf.Sci.(1990)
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[Publications] 安永均: "半導体表面におけるエレクトロマイグレ-ション" 日本物理学会誌. (1990)