1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01654510
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池中 一裕 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (00144527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 純宏 大阪大学, 理学部, 教授 (80028232)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
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Keywords | 糖鎖解析 / 細胞移動 / リ-ラ-マウス / ピリビルアミノ化 |
Research Abstract |
遺伝的に大脳皮質形成異常を示すマウス(リ-ラ-)においては、神経芽細胞の移動障害が認められ、脳内のガラクトシルトランスフェラ-ゼ活性は野生型の半分程度に減少していると報告されたため、我々は、リ-ラ-脳内の糖鎖構造の解析を試みた。しかしながらマウス全脳の糖蛋白質糖鎖の構造を解析する方法は知られていなかったため、精製糖蛋白質の糖鎖解析法として確立された方法を用いることを試みた。マウス脳を凍結乾燥しヒドラジン分解により糖鎖を切り出し、アセチル化した後、還元末端をピリジルアミノ化した。シアル酸残基を完全に除去した後2次元HPLCにて分析した。また、別々の個体からとった試料について同様の操作で糖鎖の解析を行ったところ、個体間で糖蛋白質糖鎖のパタ-ンに差のないこと、また、オリゴマンノ-ス型糖鎖がマウス脳内に多いことが明らかとなった。この方法を用いてリ-ラ-マウス脳内の糖鎖構造の解析を行ったが、野生型と有意な差を見いだすことはできなかった。次に大脳皮質を形成する神経細胞の移動に対する糖鎖の影響についてin vitroで検討した。まず、妊娠マウス尾静脈よりBrdUrdを注入し、胎仔脳内のDNA合成期にある神経上皮細胞を標識した。2時間後胎仔から取り出した脳をマイクロスライサ-にて厚さ200μmの切片にし、大脳皮質を培養カップ上で静置培養した。経時的に切片をカップ上で固定し、抗BrdUrd抗体を用いた免疫蛍光法を行った後、倒立型共焦点レ-ザ-蛍光顕微鏡により厚い切片のままで標識細胞を検出したところ神経芽細胞はin vivoと極めて近い様子で移動することが明らかとなった。また、用いた培養液も0.4mlであり大幅に培養液を減らすことができ、解析に要する時間も大幅に短縮することができた。今後、in vitroで神経芽細胞の移動に対して阻害効果のある糖鎖構造を探索して行きたい。
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Research Products
(1 results)