1989 Fiscal Year Annual Research Report
3T3-L1線維芽細胞から脂肪細胞への分化誘導因子の分離と精製
Project/Area Number |
01654513
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 尚 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (40210009)
|
Keywords | 3T3-L1細胞 / 脂肪細胞 / 分化誘導因子 / インスリンレセプタ-遺伝子 / グルコ-ストランスポ-タ-遺伝子 |
Research Abstract |
3T3-L1線維芽細胞は、インスリン添加により脂肪細胞へと分化するために従来より細胞分化を研究する格好の材料の1つであった。この系においては、インスリン添加後インスリンレセプタ-およびインスリン反応性グルコ-ストランスポ-タ-mRNAの誘導合成がかかり、また各種脂肪合成酵素も誘導される。脂肪細胞は脂肪合成の原料としてグルコ-スが必要であるため、その取り込みを促進するインスリンレセプタ-およびインスリン反応性グルコ-ストランスポ-タ-が増加することは合目的である。この系において、インスリンによりどのようにしてこれらmRNAの誘導合成がかかり、どのような分子機構で脂肪細胞へと分化していくのか明らかにすることは、分化を分子レベルで解明していく1つのモデルになると考える。 我々はすでにインスリンレセプタ-cDNAを単離し、その一次構造を決定した。さらにその遺伝子発現を調節するプロモ-タ-部位のクロ-ニングを行い、構造を明らかにし、その転写調節機構の解明を進めている。このプロモ-タ-塩基配列中に、この分化系において合成誘導がかかるいくつかの脂肪合成酵素遺伝子のプロモ-タ-部位と共通の配列が存在し、gel retardation assay,DNase I foot printingの結果からこの配列(FSE:fat Specific Element)には、分化調節因子が結合する可能性が大きいことが明らかになってきた。今年度はさらに、3T3-L1細胞よりインスリン反応性グルコ-ストランスポ-タ-と分化時にmRNAの合成が上昇しないインスリン非反応性グルコ-ストランスポ-タ-遺伝子のプロモ-タ-領域をクロ-ニングし、その一次構造を決定し、さらに転写開始部位を決定した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Seguchi T.,Ebina Y.et al.: "Insulin receptor and altered glucose transport in a monensinresistant mutant of chinese hamster ovary cell" J.Cell.Physiol.139. 229-236 (1989)
-
[Publications] Taira M.,Ebina Y.et al.: "Human diabetes associated with a deletion of the tyrosine kinase domain of the insulin receptor" Science. 245. 63-66 (1989)