1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01656505
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
菊池 淑子 東邦大学, 理学部, 助教授 (00138124)
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Keywords | GST1 / 細胞同期 / オムニポテント・サプレッサ- / G1@S期移行 / GTP結合蛋白 / EF1α |
Research Abstract |
酵母サッカロミセス・セレビシエ細胞周期のGI期よりS期への移行に欠損のあるgst1変異株を単離し、遺伝子解析によりgSTlタンパクはGTP結合タンパクであるElongation factor 1αとの相同性の高いタンパクであることが判っている。さらに,GST1遺伝子は、遺伝子地図上の位置、アミノ酸配列及び相補テストの結果、オムニポテント・サプレッサ-sup2(sup36)と同一遺伝子であると結論している。従ってGST1遺伝子産物、すなわち、野生型sup2遺伝子の機能を、特に、細胞周期における役割りを見い出すことを目的としている。本年度は酵母GSTIDNAをプロ-ブとして、ヒト培養細胞のCDNAライブラリ-よりhomologueを単離し、その発現様式を調べた。ヒトGST1タンパクは、酵母GST1に比べ、分子量が56kと小さく、N末端部分を欠いていた。酵母タンパクのドメインIIのマイナスチャ-ジの多い後半部分とElongation factorに似たドメインIIIから成ることが判った。又、DNAをpTRP56ベクタ-につないだ時、酵母gst1のts変異を部分的にではあるが相補できたので、機能的にも似た働きをしていると考えられる。ノザンブロッティング法により、1.5kbのmRNAを検出したので、cDNA上のどこからか転写が開始されているらしい。さらに、血清で刺激して細胞を同調化させ、その発現量を経時的に調べるとS期に入る直前に最も量が上がっていた。この発現様式は、他のGTP結合タンパクのそれとは異なることが示された。ヒトGST1タンパクを、T7ファ-ジ発現システケを利用して、大腸菌内で量産することに成功しているので、今後、生化学的に性質を調べたり、これをもとに抗体を作製して、タンパクの局在性、複合体の検出などの研究が可能となった。
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[Publications] S.Hoshino,H.Miyazawa,T.Enomotoko,F.Hanaoka,Y.Kikuchi,A.Kikuchi & M.Ui: "A human homologue of the yeast GST1 gene codeos for a GTP-binding protein and is expressed in a prdiferation-dependent manner in mammalian cells." EMBO J.8. 3807-3814 (1989)
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[Publications] A.Fujita,Y.Kikuchi,S.Kuhara,Y.Misumi,S.Matsumoto& H.Kobayashi: "Domains of the SFL1 protein of yeasts are homologous to Myc oncoproteins or yeast heat-shock transcription factor." Gene. 85. 321-328 (1989)