1989 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮中のミオシンの分子運動の蛍光標識および蛍光抗体標識による検出と解析
Project/Area Number |
01657508
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮西 隆幸 長崎大学, 医学部, 助手 (50157666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 源治 長崎大学, 医学部, 教授 (50039476)
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Keywords | 筋収縮 / ミオシン / ATP / 分子内運動 / 蛍光標識 / 蛍光色素 / 筋原線維 |
Research Abstract |
ミオシン頭部重鎖の高反応性システイン残基(SH_1)に選択的に導入した蛍光色素ロ-ダミンが硬直状態にある筋線維中で一定の方向を向いており、ADPの添加に伴ってその向きを変えることは先にBorejdoらによって報告されている通りである。SH_1基の極近傍にあるSH2基に選択的にロ-ダミンを今回導入することに成功した。その選択性は、ミオシンのEDTA(K^+)-ATPase活性、Ca^<++>ーATPase活性などのパラメ-タの変化およびペプチドマッピング法による局在により確認された。SH_2基上にロ-ダミンを導入したミオシン頭部部分をグリセリン処理筋に加えると硬直状態ではロ-ダミン色素は筋線維の長軸に対して42度の角度で配向した。この筋肉に十分濃度のMgADPを加えた場合でもロ-ダミン色素は同じく42度に配向していた。この頭部部分はアクチン線維と結合しさらにADPとも結合できることも確かめられた。この頭部のSH_1基上に別のラベルが入っているかどうかはこれらの結果に関係しなかった。SH_2基上のロ-ダミンのADPに対する反応はADPに対する感受性が化学修飾によって変化したためでなく、SH_1基上のそれともともと異なるためであると結論した。このように極近傍にある二つのアミノ酸残基のADPに対する対応の不一致はそれらの残基の相対的位置が変化していること、言い替えると少なくともその周辺には然るべきフレキシビリティが存在し、特定の基質類似体の存在下では検出できることを示唆している。
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[Publications] Maruta,S.Miyanishi,T.Matsuda,G.: "Localization of the ATP-binding site in the 23 kDa and 20 kDa regions of the heavy chain of skeletal myosin head" Eur.J.Biochem. 184. 213-221 (1989)
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[Publications] Miyanishi,T.Borejdo,J.: "Differential behavior of two cysteine residues on the myosin head in muscle" Biochemistry. 28. 1287-1294 (1989)