1989 Fiscal Year Annual Research Report
トランスミッタ-放出に関与するプロテインキナ-ゼCサブタイプの解析
Project/Area Number |
01659510
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷山 紘太郎 神戸大学, 医学部, 助教授 (70030898)
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Keywords | γサブタイプ-プロテインキナ-ゼC / γ-アミノ酪酸遊離 / 小胞性開口放出 / 深部小脳核 / 免疫組織化学 / アラキドン酸 / ホルボ-ルエステル / スフィンゴシン |
Research Abstract |
神経伝達物質の開口放出とプロテインキナ-ゼC(PKC)との関連に関する知見が集積されてきた。最近PKCに複数のサブタイプが存在することが明らかにされたが、PKCの多岐に亘る働きに夫々どのタイプが関与しているかはまだ明らかでない。本研究は開口放出にかかわるPKCサブタイプについての検討を行ったものである。 1.深部小脳核からのγ-アミノ酪酸(GABA)遊離におけるγサブタイプPKCの関与 GABA抗体を用いた免疫組織化学により、小脳プルキンエ細胞から深部小脳核に投射するGABA作動性神経終末を確認し、γ-PKC抗体を用いた免疫電顕組織化学により、GABA作動性神経終末の小胞周囲にγ-PKCが存在することを証明した。深部小脳核スライス標本を用いて行った遊離実験で、PKCを活性化するホルボ-ルエステルは脱分極によって誘発されるCa^<2+>依存性GABA遊離を促進するが、ウアバインによるCa^<2+>非依存性GABA遊離を促進しないことを認め、プルキンエ細胞神経終末からのGABAの小胞性開口放出にγサブタイプのPKCが関与することを示唆した。 2.アラキドン酸によるGABA遊離の促進 アラキドン酸は低濃度で特異的にγ-RKCを活性化することが示されたので、深部小脳核からのGABA遊離に対するアラキドン酸の作用を検討した。アラキドン酸はアラキドン酸代謝阻害薬の存在下に深部小脳核からのGABA遊離を惹起し、このアラキドン酸の作用はPKC拮抗物質(スフィンゴシン)によって阻害されることを認めた。 以上の1,2の知見から、プルキンエ神経細胞の終末からのGABA遊離の開口放出にγタイプのPKCが関与するものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Saito: "Immunocytochemical localization of βII subspecies of protein kinase C in rat brain" Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86. 3409-3413 (1989)
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[Publications] K.Hosoda: "Immunocytochemical localization of βI subspecies of protein kinase C in rat brain" Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86. 1399-1397 (1989)
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[Publications] H.Shuntoh: "Involvement of protein kinae C in the Ca^<2+>-dependent vesicular release of GABA from central and enteric neurons of guinea pig" Brain Res.483. 384-388 (1989)
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[Publications] C.Tanaka: "Brain Signal Transduction and Memory" Masao Ito and Yasutomi Nisizuka, 12 (1989)
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[Publications] K.Taniyama: "Advances in cyclic nucloetides,calcium and protein phosphorylation(発表予定)" Yasutomi Nishizuk,Makoto Endo and Chikako Tanaka, (1990)