1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01840002
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
小平 桂一 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (60012845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 済 東京大学, 理学部, 助手 (20011570)
山下 泰正 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (50011458)
家 正則 国立文天台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (30111446)
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Keywords | 大型望遠鏡 / 鏡面測定 / 能動光学 / 補償光学 / 高速像追尾システム / 制御工学 |
Research Abstract |
1.前年度の研究成果を踏まえて、本年度は62cm能動光学実証望遠鏡の制御システムの改良と高速化を図った。その結果、 (カ)62cm能動光学実証望遠鏡の閉ル-プ制御方式を確立した。それまでの開ル-プ制御方式に比べて、望遠鏡の姿勢が傾いた時の鏡面誤差を約1桁小さくすることが可能となった。 (2)さらに測定・制御アルゴリズムの改良等により、閉ル-プを約2倍程度高速化することに成功した。 (3)鏡面測定の自動制御方式を確立したことにより、鏡面から立ち登る微熱乱流の長時間測定が可能となり、結像性能を劣化させる微熱乱流の性質の解明において、新しい知見を得ることができた。 2.能動光学の研究と平行して、本年度は補償光学方式の基礎開発にも本格的に着手した。その結果、 (4)焦点面上での星像の動きを高速で追尾する装置の開発を目指して、4分割光ダイオ-ドによる波面傾斜成分の高速測定装置を開発し、その誤差信号を積分型サ-ボ回路を通して傾斜補正用平面鏡のピエゾ駆動素子の印加電圧に入力することによる高速像追尾装置を実現した。岡山188cm望遠鏡にこの装置を装着して実際に星を観測することにより、大気の揺らぎによる星像のふらつきを1/4程度に抑制できることを実証した。 (5)大気の乱れによる波面擾乱を高速測定する装置の概念設計と基礎開発を進めた。また、補償光学系を実現するための薄板鏡の試作、鏡面制御用ピエゾ駆動素子の試作開発を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Kodaira: "Present Status of the JNLT Project" SPIE Proceedings Advanced Technology Optical Telescopes IV. 1236. 56-62 (1990)
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[Publications] M.Iye: "Active Optics Experiments with a 62cm Thin Mirror" SPIE Proceedings Advanced Technology Optical Telescopes IV. 1236. 929-939 (1990)
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[Publications] 家 政則: "能動光学と補償光学" 光技術コンタクト. 29. 10-18 (1991)
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[Publications] M.Iye: "Evaluation of Seeing on a 62cm Mirror" Publ.Astron.Soc.Pacific. (1991)
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[Publications] M.Tabata: "Shape Control Experiments with a Functional Model for Large Optical Reflectors" Proc.First Joint US/Japan Conference on Adaptive Structures. (1991)
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[Publications] 野口 猛: "62cm薄型鏡による能動光学実験" 国立天文台報. 1. (1991)