1990 Fiscal Year Annual Research Report
固体振動観測のための狭帯域地震計開発のための基礎研究
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01840011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊沢 峰夫 東京大学, 理学部, 教授 (60022571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 敬 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (00111451)
浜野 洋三 東京大学, 理学部, 教授 (90011709)
卜部 卓 東京大学, 地震研究所, 助手 (30160336)
金沢 敏彦 東京大学, 理学部, 助教授 (30114698)
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Keywords | 地震計 / 固有振動 / 狭帯域加速計 |
Research Abstract |
本地震計の観測対象を多数の固有振動モ-ドのうち、従来はほとんど観測されたことのないコア・モ-ドのみに設定した。コア・モ-ドの特性を多面的に検討し、その組織的観測に役立つシステマティマテックスをいくつか見いだした。地動ノイズ等観測に対する阻害要因についてもその効果を最小限にする基準を得た。本地震計の持つべき特性として、感度(ディジタル・デ-タの最小単位)を0.1〜0.5ナノガル、サンプリング率を3秒以内、ダイナミックレンジは10^6以上、対象周波数領域を0.8〜5ミリヘルツを設定した。また、振幅の大きい基本モ-ドの周波数に対しては狭い吸収特性をもたせる。 装置本体:既存のフィ-ドバック型地震計STSー2にディジタルフィ-ドバック回路は、DACパ-ソナルコンピュ-タ、ADCで構成した。STSー2の速度出力をアナログ積分し、ロ-パスフィルタ-を通した信号をディジタル演算した後、アナログ信号に変換し、STSー2の較正用コイルにフィ-ドバックする「アナログ・ディジタル混合方式」になる。最大の問題点は、装置本体の環境制御であって、地動ノイズが少なく、温度制御が出来電磁ノイズの少ない観測点の設定である。 ディジタル演算:DACから入力した信号をどれだけ速やかに演算しフィ-ドバックするかがキ-ポイントである。STSー2の出力3成分すべてを採用し、多数の同調ピ-クと吸収ピ-クを同時に作る方式を考察して目的を達せられる。これはエリエイジングを利用したフィルタ-で、ほぼ等間隔にあるコア・モ-ドに良く適合する。 現場での観測テストは行っていないが、実験室でのシミュレ-ションでは、ほぼ目的に近い性能を持つ装置の原型が出来たと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kumazawa,et al.: "A theory of spectral analysis based on the characteristic property of a linear dynamic system" Geophysical J.Int.101. 613-630 (1990)
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[Publications] Matsuura,T.,Imanishi,Y.,Imanari,M.,Kumazawa,M.: "Application of a new method of high resolution spectral analysis" Appl.Spectroscopy. 44. 618-626 (1990)
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[Publications] 栗田 敬: "再び“火山の根"について" 火山. 34. S3-S10 (1990)