1989 Fiscal Year Annual Research Report
飛行時間フ-リエ変換型質量分析計とそれを用いた動的表面解析法の開発
Project/Area Number |
01840017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 理学部, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 哲也 東京大学, 理学部, 助手 (70184299)
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Keywords | 質量分析計 / 電子刺激脱離 / 表面分析 / 吸着 / 飛行時間フ-リエ変換型質量分析計 |
Research Abstract |
本研究は、従来の質量分析計よりも100〜1000倍も高い検出効率を有する飛行時間フ-リエ変換型質量分析計を開発し、これを用いることにより、新しい固体表面解析法としての電子刺激脱離法を確立することを目的としている。飛行時間フ-リエ変換型質量分析計は申請者らの考案によるものであり、従来の質量分析計とは異なる原理に基づいている。これは、全質量数領域を同時にしかも迅速に測定できるので,検出効率が従来型に比べ100〜1000倍にも達する。また、小型、製作の容易さ等の特長を備えており、真空機器の分圧モニタ-、2次イオン質量分析法など多くの分野で、現在の四重極質量分析計にとって代りうるものと考えられる。電子刺激脱離法は、電子刺激により表面から脱離する科学種の角度分布、エネルギ-分布を測定するもので、分子線エピタキシ-のような動的成長過程の追跡に威力を発揮すると期待されている。 今年度は、当初の計画に従い、まず、電子刺激脱離装置を収容する超高真空槽および真空排気系を製作し、飛行時間フ-リエ変換型質量分析計のイオン化室、静電シャッタ-、超高真空内2軸精密回転機構等の構成部分の設計、製作を進めた。また、これと平行して低速電子回折/オ-ジェ電子分光装置、昇温脱離測定システム、仕事関数精密測定装置などの補助的表面分析機器、試料マニピュレ-タ、試料清浄化システム、試料温度制御機構等の開発、製作を行なった。今後は、飛行時間フ-リエ変換型質量分析計を超高真空槽内に組込み、調整を行なった後、固体結晶表面上での吸着種の配向状態の研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)